東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 58

ページ: 58

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【右頁】 としるへしと見えたり   ㊅非常(ひじやう)の生子(むまれご)の説(せつ) ◯《割書:啓益|》按(あん)ずるにいにしへ天地(てんち)の開初(ひらけはじめ)し時は其(その)氣候(きこう)もする どにして其 氣(き)をうけたる人なれば其かたちもあやしく すさまじく夜叉(やしや)のごとき類おほかりけるにや中花(もろこし)の神農(しんのう) 氏(し)は牛首人面(ぎうしゆにんめん)とて頭(かしら)に角(つの)のありけるとかやわが日本 にても猿田彦(さるだひこ)の神などゝいひけるも鼻高(はなたか)くあやしき 顔(かほ)なりけるとぞ傳(つた)へ侍(はべ)る老子(らうし)は母(はゝ)の胎内(たいない)に在(あり)ける事八十 一 歳(さい)にして白髪(しらが)にて生れ給ふよし馬呈徳(ばていとく)が子も母の 胎(たい)にある事八歳にして生れたりたゞ髪(かみ)の長(ながき)事 尺餘(しやくよ)生 てよく物云たると五雜俎(ござつそ)に見えたり 本邦(ほんほう)反正天皇(はんしやうてんわう)は 【左頁】 生れ給(たま)ひたる時 骨(ほね)のごとくなる歯(は)三つはへ給へは三歯(みつば) 別(わけ)の尊(みこと)と申奉る清寧天皇(せいねいてんわう)は生れ給ひて御 髪(かみ)白く 長(なが)かりければ白髪(しらが)の皇子(わうじ)と申奉る武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)は生れ 落(おち)て物をいひはいありき歯(は)生(おひ)たりと申傳へ侍る此等(これら)の 類今の世にもまゝ多き事なりしかれ共 鬼子(おにご)といひて ひねり殺(ころ)し水に流(なが)す者あり是 道理(だうり)にくらき故なり 天地造化(てんちざうくは)の変(へん)なればケ(か)様(やう)なる事いくらもあるべき事と 心得て育(そだて)をくべきなり此子 長生(ちやうせい)の後いかやうなる名(めい) 人(じん)にか成ぬべきはかりがたし又七ヶ月八ヶ月にて生れ 其形もはなはだ弱(よは)くちいさくてそたつべき共見えぬ 生れ子を月たらずの児子(ちご)とて殺(ころ)す類多し魏畧(きりやく)に