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【右頁】
出し瘡(かさ)となるものあり蜜陀僧(みつだそう)の末(まつ)をすりぬれば必
愈(いゆる)なりと薛鎧(せつがい)の説(せつ)に見えたり
◯生れ子に穀道(こくだう)《割書:按ずるに穀(こく)道とは|大便(だいべん)通(つう)ずる穴(あな)をいふ也》の穴(あな)なき者あり大便(たいべん)
通(つう)ぜざるによりて急(きう)に死(し)するにいたる速(すみやか)に金銀(きん〴〵)の
簪(かんざし)の類(るい)をもて其穴の所を刺穿(さしうがつ)べし或は簪(かんざし)を焼(やき)
針(ばり)にして刺穿(さしうがつ)もよきなり必ふかくさす事なかれ其
後 蜜導(みつだう)を以ひたと肚門(こうもん)にひねり入れい【はヵ】かならす大便(だいべん)通(つう)
じて穴(あな)ひろくなると王隠君(わうゐんくん)の説に見えたり是 亦(また)
本邦(ほんほう)にてもまゝ多き事なり《割書:啓益|》ひとりの小児此 症(せう)
あるを治(ぢ)するに銀(ぎん)の簪をやきて刺(さし)うがちて其あとに
鉛(なまり)を針(はり)のごとくにこしらへてひたと穿(うがち)ければ其穴
【左頁】
漸(ぜん)〻(〴〵)に廣(ひろ)くなりて大便通して長 生(せい)せしなり鉛(なまり)の性(しやう)
はよく肉(にく)に入るの能(のう)あるを以の故(ゆへ)なり烏銃(てつほう)【鳥の誤】の玉を鉛にて
するも人の肉にいらしめんとの事なり蜜導(みつだう)とは蜂蜜(はちみつ)
を重湯(ゆせん)にてひたとねりて飴(あめ)のやうにして手に胡麻(ごま)の
油をつけてもみて長(なが)くして肚門(こうもん)にさすなり
㊆小児(せうに)諸病(しよびやう)の説《割書:上|》
◯《割書:啓益|》按ずるに小児はたゞ大小 便(べん)の事を常(つね)に心を付
て見るべし大小便つねによく通(つう)じて襁褓(むつき)尻(しり)あての
類をとりかゆる事しきりなるほどある小児は病なし
と心得べし少にても大小便 滞(とどこほ)る時は病ありとしるべし
小児初て生れて黒き大便を通(つう)ずるなりこれを蟹(かに)