東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 66

ページ: 66

翻刻

【右丁】 ○初生の小児 眼(まなこ)閉(とぢ)て開(ひらか)ざる者ありこれ産母(さんぼ)熱物(ねつぶつ)を 食(く)らふ事 多(おほ)きによつて致(いた)す所なり熊胆(くまのい)少ばかり湯(ゆ)に てとき眼(まなこ)の上(うへ)をあらふべし一日に七八度あらへは多くはひゝ く也もし三日と開(ひらか)ざる時は生地黄湯(しやうぢわうたう)を用べし生地黄(しやうぢわう) 赤芍薬(しやくしやくやく) 川芎(せんきう) 当帰(とうき) 爪蔞根(くはろうこん)《割書:各等|分》甘草(かんざう)《割書:少計》 右 細末(さいまつ)して灯心(とうしん)の煎湯(せんとう)にて少(すこし)許用へし除春甫(しよしゆんほ)【徐とあるところ】の 説に見えたり《割書:啓益》つねに此方を用て験(しるし)をとる事多し ○小児しきりに舌(した)をすこしあらはしては又 納(おさめ)するを 弄舌(ろうぜつ)の症(しやう)と名付(なづく)と薛鎧(せつがい)の説(せつ)に見えたり是病のき ざすと心得て早(はや)く驚(おどろ)き上手の医師(いし)に見せて療治(りやうぢ) すべきなり保嬰全書(ほうゑいせんしよ)に弄舌(ろうぜつ)は脾(ひ)の蔵(ざう)に熱(ねつ)あるなり 【左丁】 瀉黄散(しやわうさん)によろし 藿香葉(くはつかうよう) 山梔子(さんしし)《割書:各二|分》軟石膏(なんせきかう) 防風(ばうふう) 甘草(かんざう)《割書:各一|分》右 調合(てうがう)して水はかりにて煎(せん)じて 用べきなり ○小児 夜啼(よなき)の症(せう)は初(はじ)めて生れたる月の内に夜啼する はよき事なり胎毒(たいどく)の気(き)かならず散(さん)ずる故なりと王(わう) 隠君(ゐんくん)の説に見えたり夜啼(よなき)は多くは薬(くすり)を用におよはず 呪法(ましなひ)にて治(ち)する事多しそれゆへに諸(もろ〳〵)の方書(はうしよ)にさし 立たる薬方(やくはう)なし灯心(とうしん)を焼(やき)て灰(はい)として母の乳(ち)の上に つけて小児をしてこれを吮(すは)しむべし又 朱砂(しゆしや)を蜜(みつ)にて ときて児のねゐりたるひまに口に流(なが)し入れてよし朱(しゆ) 砂(しや)をすりて甲寅(きのへとら)といふ二字(にじ)を書て枕(まくら)の上の壁(かべ)に貼(のりづけ)に