東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 73

ページ: 73

翻刻

【右丁】 して鵞(か)の口中(こうちう)のごとしこれ胃中(いちう)の熱毒(ねつどく)なりと云 へり和俗(はぞく)【注】雪口(ゆきくち)といひ又は舌(した)しとぎといふなり昆布(こんぶ)を 黒焼(くろやき)にして細(こま)かにして鳥(とり)の羽(は)につけて舌(した)の上(うへ)口中 をはけばその黒焼につきて白き物皆とれて愈(いゆ)るな り少し舌にしむ気味(きみ)あれば小児 啼(なき)てつけさせぬ 類(たぐひ)ありしゐてつくべき也かならず治(ぢ)する事なり鵞(か) 口瘡(こうさう)を治(ぢ)するに黄連(わうれん)を細末(さいまつ)して蜜(みつ)にてときて付(つく) れは験(しるし)多し鵞口瘡にて小児 乳(ち)を吮(すふ)事あたはざる に加減(かげん)清胃散(せいゐさん)を用べし黄芩(わうこん) 黄連(わうれん) 升麻(しやうま) 石膏(せきかう) 連翹(れんぎやう) 辰砂(しんしや) 黄柏(わうばく) 生甘草(しやうかんざう) 《割書:各等|分》 右 細末(さいまつ) してさゆにてもよし煎薬(せんやく)にしてもよし 【左丁】 ○生々子(せい〳〵し)の説に上腭(うはあご)腫(はれ)て舌の下に肉(にく)出来ものあり 重舌(ぢうぜつ)と名付(なつく)と見えたり和俗(わぞく)に小舌(こじた)といふ早く驚(をどろ)き 療治(れうぢ)すべき事なり頷(をとがひ)の下の真中(まんなか)に廉泉(れんせん)の穴(けつ)といふ 所あり此所に灸(きう)する事四五 壮(さう)ほどなれば小舌しゞまり て愈(いゆ)るなり秘蔵(ひさう)の事なり重舌(ぢうぜつ)の症(しやう)に 当帰連(たうきれん) 翹湯(きやうたう)を用べし 当帰尾(たうきび) 連翹(れんぎやう) 白芷(びやくし) 《割書:各等|分》 大黄(たいわう) 甘草(かんざう) 《割書:各半|分》 右その小児の大小によりて服(ふく)を かげんして水ばかりにて煎(せん)じ用ゆべし其 験(しるし)多し ○嬰童百問(ゑいどうひやくもん)に木舌(もくぜつ)の病は心脾(しんひ)の積熱(しやくねつ)のなす所なり 其症 舌(した)腫(はれ)て漸々(ぜん〳〵)に脹大(ちやうだい)にして口中に満塞(みちふさがる)なり重(ぢう) 舌(ぜつ)木舌(もくぜつ)共(とも)に煎薬(せんやく)は当帰(たうき) 連翹湯(れんぎやうたう)を用べし蒲黄(ほわう)の 【注 16行目に和俗(わぞく)とあり。おそらく原文は「ワぞく」と振られていたのでは。】