東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 2

小児必用養育草 - 翻刻

小児必用養育草 - ページ 74

ページ: 74

翻刻

【右丁】 末(まつ)を香色(かういろ)にいりて蜜(みつ)にてときて舌(した)にぬるへし又 黄(わう) 栢(ばく)の粉(こ)を蜜(みつ)にときてぬるもよきなり ○走馬疳(そうはかん)とは口に瘡(かさ)生して血を出(いだ)し口中 臭(くさ)く歯(は) 齦爛(ぎしたゞ)れ歯(は)黒く歯悉く脱落(ぬけおち)頷(をとがひ)に穴(あな)を生(しやう)して死(し)する に至るなりと王隠君(わうゐんくん)の説に見えたり和俗(わぞく)歯(は)くせといひ 又その死(し)すみやかなるによりて早(はや)くせといふ此 症(しやう)は 火急(くはきう)の事なれは小児口中 臭(くさ)き事あらば早(はや)く驚(おどろ) き上手の医師(いし)に頼(たの)みて療治(りやうぢ)すべし走馬牙疳(そうばげかん)を治 するに清胃升麻湯(せいいしやうまたう)によろし 升麻(しやうま) 川芎(せんきう) 半夏(はんげ) 白芍薬(びやくしやくやく) 《割書:各等|分》 葛根(かつこん) 黄連(わうれん) 生甘草(しやうかんさう) 防風(はうふう) 白芷(びやくし) 白朮(びやくじゆつ) 軟石膏(なんせきかう) 《割書:各半|分》 右の薬(くすり)調合(てうがう)して 【左丁】 水煎(すいせん)し用ゆべし外には 黄栢(わうばく) 蒲黄(ほわう) 捂棓子(ごはいし) 枯礬(こばん) 《割書:各等|分》 細末(さいまつ)して先 米泔汁(こめのどきしる)【ママ】を湯(ゆ)に沸(わか)して 口中をあらい口漱(うがひ)させて此 粉薬(こくすり)を患(うれ)ふる所にすり ぬるべし其験すみやかなり ○銭仲陽(せんちうよう)の説に驚風(きやうふう)の病は小児の元気(げんき)弱(よは)く神魂(しんこん) いまだ定(さだ)まらざる故(ゆへ)あやしき形(かたち)の物をみせ或(あるひ)は厲(はげし) き響(ひゞき)のある器(うつは)などの鳴(なる)声(こへ)を聞て心神(しん〴〵)を驚(をどろか)し 躁(さは)ぎおびえて眼(まなこ)を見つめ手足(てあし)を動(うごか)し搐搦(ちくでき)《割書:搐搦と|は手足》 《割書:をひくつかす|をいふ》し痰沫(たんあは)を吐(はき)て死(し)にいたる病の勢(いきほひ)の火急(くはきう) なる事を急驚風(きうきやうふう)と名付(なづけ)病のゆるやかなるを慢驚風(まんきやうふう) といふなりと云へり小児の病は外よりの風にても内よ