← 前のページ
ページ 75 / 169
次のページ →
翻刻
【右丁】
りの食滞(しよくたい)にても多くは驚風(きやうふう)に変(へん)ずるなり此の病のき
ざしあらは早く驚(をどろ)き上手の医師(いし)にたのみて療(りやう)
治(ぢ)すべし油断(ゆだん)して治(ぢ)せざれば癖(くせ)になりて五日七
日にひたとおこりて年(とし)長(ちやう)じて後は癲癇(てんかん)の病(やまひ)と成
て廃人(すゝろびと)になる者なれば小児の病のうちにては此病を
第一の重(おもき)病としるべきなり
○驚風 始(はじめ)ておこり眼(まなこ)を見つめ又は上竄天弔(しやうさんてんてう)とて眼
を上の方につりあげ火急(くはきう)なる時は牛黄清心円(ごわうせいしんゑん)万病(まんびやう)
解毒丹(げどくたん)紫金錠(しきんぢやう)玉枢丹(ぎよくすうたん)など云薬又は奇応丸(きおうぐわん)奇効(きかう)
丸(ぐわん)命蘇丸(めいそぐわん)至宝丹(しほうたん)なとゝ云薬の類(たぐひ)の龍脳(りうのう)麝香(じやかう)な
どの多(おほ)く入葉をきざみて水にて成共さゆにて成共
【左丁】
又はしやうがの汁(しる)をさしたる湯(ゆ)にて成共用ゆべし
かくのごとくして元気(げんき)甦(よみがへ)り痰(たん)退(しりぞき)て後 煎薬(せんやく)を用
べきなり上にいふ所の名方(めいはう)は医師の家に伝(つた)へ来り
或は薬肆(くすりや)又は今時は売薬(うりくすり)所に調合(てうがう)してあればそれ
を求(もと)め畜(たくは)へをき用意(ようい)すべししげき故にこゝにしるさ
ず扨甦りて後には二陳湯(にちんたう)《割書:此方前にしるす|かんがふべし》に釣藤鉤黄(てうとうこうわう)
連(れん)を加(くは)へて用べし
○急驚風(きうきやうふう)を治するに金棗化痰丸(きんそうけたんぐわん)といふ名方(めいはう)あり
天麻(てんま)《割書:七匁》 南星(なんしやう) 半夏(はんげ) 《割書:各二|匁》 白附子(びやくぶし) 全蝎(ぜんかつ)《割書:各一|匁》
硃砂(しゆしや) 硼砂(ほうしや) 雄黄(おわう) 枳実(きじつ)《割書:各一匁|五分》 珍珠(ちんじゆ) 《割書:五分》
麝香(じやかう) 《割書:三分》 槐角(くわいかく) 《割書:七匁》 連翹(れんぎやう) 釣藤鉤(てうとうこう) 《割書:各三|匁》 山査子(さんざし)《割書:五匁》