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【右丁】
亀(かめ)の形(かたち)に似(に)たり此病多くは疳虫(かんちう)のなす所なり又 初生(しよせい)
の時に背(せなか)を冷(ひや)し或はいまだ尻骨(しりほね)のかたまらぬさきに
しゐてすはりならはしむれば必此 病(やまひ)を生ずるなりと
見えたり此病のきざしあらば早く驚(おとろ)き上手の医師(いし)
を頼て療治(りやうぢ)すべし治(ぢ)する事 遅(おそ)ければ傴瘻(おうる)《割書:和俗いふ所|のせむしの》
《割書:事也》となりて生れつかぬ片輪者(かたはもの)となるなり《割書:啓益》おもふ
に此病を和俗(わぞく)せむしといふにて心を付てみるべし疳(かん)
虫(ちう)のなす所なれば肥児丸(ひにぐわん)磨積円(ましやくゑん)保童円(ほうどうゑん)浄腑湯(じやうふたう)に加(か)
減(げん)して用て其 効(しるし)多し 本邦(ほんほう)の小児医師(せうにいし)多く
此病は腎気(じんき)の不足(ふそく)と云て六味(ろくみ)八味(はちみ)の地黄丸(ぢわうぐわん)を用る
人もあり是もまた一術(いちしゆつ)なれ共小児は熱(ねつ)つよく脾胃(ひい)
【左丁】
もろくすぼし地黄などの類のおもき薬(くすり)を好(このま)ぬ者なれば
其 益(ゑき)少し能々心得べき事なり
○銭仲陽(せんちうやう)の説(せつ)に小児の鶴膝(くわくしつ)の病は足脚(あしはぎ)弱(よは)く痩(やせ)て細(ほそ)
く鶴(つる)の膝(ひざ)に似(に)たるを以 名付(なづく)るなり是生れつきて腎気(じんき)
よわき小児 或(あるひ)は風湿(ふうしつ)にあたりて此 症(しやう)に変(へん)ずるなりと
云へり小児大人 共(とも)に此病は大病(たいびやう)の後(のち)多くは痢病(りびやう)の後
傷寒(しやうかん)熱病(ねつびやう)の後 脚(はき)よはく行歩(ぎやうぶ)にこけやすくあらは此
症のきざすと心得て早く驚(おどろ)き上手の医師(いし)に逢(あい)て
療治を頼(たの)むべき事なり油断(ゆだん)して多くは生れつかぬ片(かた)
輪(は)者になるあり大防風湯(たいばうふうたう)を用てよし
人参(にんじん) 黄茋(わうぎ) 当帰(たうき) 川芎(せんきう) 熟地黄(じゆくぢわう) 白芍薬(びやくしやくやく) 《割書:各等|分》