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【右丁】
防風(はうふう) 《割書:各十|匁》 川烏頭(せんうづ) 釣藤鉤(てうとうかう) 《割書:各八|匁》
右 細末(さいまつ)して米糊(こめのり)にて丸(ぐわん)し梧桐子(ごとうし)《割書:胡椒(こせう)の粒(つぶ)ほと|をいふなり》の大
にして爰に五十丸づゝさゆにて一日一夜に五六度用る
事半年にして小便(せうべん)不禁(ふきん)やみて足の左右(さう)にかさな
る事やみ足のかゞみ伸(のひ)て物にとりつき人にたすけ
られて歩行(ほこう)をなす一年の後そのかたちひきのぶるや
うに盛長(せいちやう)し頸(くび)短(みじかく)背(せなか)にて座(ざ)するやうの事こと〴〵く
いへて常(つね)の人となりぬ二年の後 長門(ながと)の国 俵(たはら)山と
いふ温泉(おんせん)につかる三七にしていよ〳〵快(こゝろよく)なりて
全(せん)人となりたるなり此薬かくのごときの病(やまひ)を治(ぢ)
する事は虎脛骨(こけいこつ)穿山甲(せんさんこう)の力(ちから)なるべし虎(とら)の千里(せんり)
【左丁】
をかける脛(はぎ)の骨(ほね)にて病者(びやうじや)の足(あし)をたすけ穿山甲(せんさんこう)の
山をうがち岩(いは)を起(おこ)すの力(ちから)を以 経絡(けいらく)のめぐらざるをめ
ぐらして補薬(ほやく)を足(あし)にいたらしむ海桐皮(かいとうひ)蒼耳子(そうにし)防風(ばうふう)
を用て風湿(ふうしつ)をさり牛膝(こしつ)薏苡仁(よくいにん)を用て薬(くすり)の下行(げがう)
をみちびき木瓜(もくくは)を用て筋(すぢ)をやはらげ熟附子(じゆくぶし)川(せん)烏 頭(つ)
肉桂(につけい)を用ひて補薬(ほやく)をみちびき経絡(けいらく)をあたゝむその
余(よ)の薬みな気血(きけつ)を補(おぎな)ふの剤(さい)なりその後或は痛風(つうふう)
の後足 痛(いたん)で行歩(ぎやうぶ)叶(かな)はす或は産後(さんご)脱血(だつけつ)して足たゝ
ず或は癩病(らいびやう)揚梅瘡(やうばいさう)の類しきりに寒薬(かんやく)を服(ふく)して気(き)
血(けつ)枯(かれ)て足たゝぬ類の症(しやう)に此方をのましむるに験(しるし)あら
ずといふ事なし秘蔵(ひさう)の事なれ共世のため人のため