翻刻
【右丁】
【図は 献方が饗応全般の指図をしている】
献方(こんかた)
献方(こんかた)は饗応(きやうわう)の惣奉行(さうぶぎやう)にして
しばらくも其席(そのさ)を退(しりぞ)く事なく
居(ゐ)ながら座敷(ざしき)のもやうをかんがへ
料理(れうり)煮方(にかた)の怠(おこた)りを正(たゞ)し
給史(きうし)配膳(はいせん)に卒忽(そこつ)なからしむ
其事(そのこと)に馴(なれ)ざる人の勤(つと)め得(う)
べきにあらずかし
【左丁】
《割書:魚類|精進》早見(はやみ)献立帳(こんだてちやう)
凡例(はんれい)
一 夫(それ)貴人(きにん)高位(かうゐ)の御館(みたち)には庖丁(はうちう)
料理(れうり)の家元(いへもと)ありて御慶賀(ごけいが)の
軽重(けいぢう)により五々三七五三 或(あるひ)は
高盛(たかもり)平盛(ひらもり)等 夫(それ)々(〳〵)古例(これい)法式(はふしき)皆(みな)
家元(いへもと)の秘伝(ひでん)にして素人(しろうと)の倣得(ならう)る
事(こと)にあらず此(この)早見(はやみ)献立帳(こんだててう)は
畢竟(ひつきやう)民間(みんかん)の遊宴(ゆうゑん)または仏事(ふつじ)