翻刻
竹斎療治之評判(ちくさいりやうぢのひようばん)下
或人(あるひと)大/熱気(ねつき)を煩(わつらひ)けり歴々(れき〳〵)のくすし集(あつまり)て
はいざいする竹斎(ちくさい)も談合(だんかう)にくはゝりて申ける
やうは熱気(ねつき)/覚(さめ)がたくは茄子(なすび)の香(かう)の/物(もの)を一きれ
加(くはへ)たきと申けれは扨(さて)々/珍敷(めつらしき)/加減(かげん)かな其(その)/子細(しさい)
はいかにと問(とひ)けれは食(めし)の/湯(ゆ)のあつきに/茄子(なすび)の香(かう)の
物(もの)を入てかきまはせはさむる程(ほど)にといひけれは
皆人(みなひと)と川と笑(わらひ)けるとぞ
此道理(このだうり)は佐々里と聞(きこ)へけれ共/茄子(なすび)の/香(かう)の物(もの)に
てなく共/有(ある)へきを茄子(なすび)のかうの物(もの)にて食(めし)の
湯(ゆ)のさむる事はおしなへて人の知(しり)たるゆへにかく
なるへし下心はいかにと考(かんがふる)に/皆(みな)/人手(ひとで)ぢかく常々(つね〳〵)