翻刻
【右丁 上段】
○女中(ぢよちう)文(ふみ)かきやう
女のふみはいかにもやさ
しくあるべし文(ふみ)は
言葉(ことば)をうゑに遣(つか)は
ずよみにつかふべし
たとへば昨日(さくじつ)をさく日(じつ)
といふごとくさくじつは
うゑなりきのふは
よみなり今日(こんにち)をけふ
一昨日(いつさくじつ)をおとつひなど
かやうにつかふことなり
○墨(すみ)つぎはいかにも
【左丁 上段】
濃くかくべきことな
れどもあまりにこきは
いやしければ見合(みあい)【注】て
書(かく)く【衍ヵ】べし
○文字(もじ)のくだりのこと
句(く)ぎりをよくかくべし
【縦線あり】
【挿絵】
【右丁 下段】
源兼昌(みなもとかねまさ)
淡路島(あはぢしま)かよふ
千鳥(ちどり)
の
なく
こゑに
いく夜(よ)
ねざめぬ
須磨(すま)の
せきもり
【左丁 下段】
左京太夫(さきやうのたゆふ)
顕輔(あきすけ)
秋(あき)かげ【「ぜ」の誤】に
たなびく
雲(くも)の
絶(たへ)
間(ま)
より
もれ出(いづ)る
月(つき)の
影(かげ)のさやけさ
【注 「い」は「は」に見えるが、次コマ12行目「第一」の振り仮名「だいいち」の「いち」の「い」が「は」に見えるが「い」であるのと同じ。】