翻刻
【右丁 上段】
たとへは見事(みこと)の御さかな
送り下されなどゝかく
とき見事(みごと)の御さ。かなと
かなを上(うへ)へあげて書(かく)
ことあしゝさかなと
つゞけてかくべしまた
まいらせ候をまい。ら
せ候とらせを上(うへ)へかく
事もよろしからず
また墨(すみ)つぐべからず
○第一(たいいち)にいひやることは
墨(すみ)をつぎてかくべし
【左丁 上段】
○文字のすがたをや
さしくかゝんとていろ
〳〵にやつしちらして
ふみわけがたきは大に
無礼(ぶれい)なりまた点(てん)を
ひきすて又ははね
などあまりながく
すべからず
○文章(ふんしやう)をやさしく
かゝんとてあまりに
しさいらしきこと
葉(は)をかくは物しり
【右丁 下段】
待賢門院(たいけんもんいん)
堀川(ほりかは)
ながゝ
らむ
心(こゝろ)も
しらず
くろ
髪(かみ)
の
乱(みだれ)て
けさは
ものを
こそ
おもへ
【左丁 下段】
後徳大寺左大臣(ごとくだいじさたいじん)
郭公(ほとゝぎす)
鳴(なき)つる
かたを
なが
む
れ
ば
たゞ有明(ありあけ)の
月(つき)ぞ
のこれる