翻刻
【右丁 上段】
だてにてあしく
また流行言葉(はやりことば)など
ゆめ〳〵かくべからず
○文(ふみ)のかきやういろ〳〵
あることながら女中(ちよちう)は
さのみこまかに書(かく)事
を正(たゞ)しくするにも
おち度には成(なる)まじき
なり第一(だいいち)祝義(しうぎ)ふみは
なを〳〵書をねんごろ
にかくべし婚礼(こんれい)の文(ふみ)
又は不 幸(かう)悔(くやみ)の文(ふみ)などは
【左丁 上段】
かへす〴〵なとのかさね
ことばをいむべし
旅(たび)遠国(えんごく)へ遣(つか)はす文(ふみ)は
封(ふう)し目(め)をときても
先(さき)の名(な)も我名(わがな)も切(き)れ
ぬやうにかくべし
うやまひの方(かた)へ遣
はすふみは披露文(ひろうふみ)
なるべしさきの召(めし)つか
はれ人(ひと)の方(かた)へのあて名(な)
にしてかき留(とめ)はこの
よしよろしく御 披露(ひろう)
【右丁 下段】
道因法師(とういんほうし)
おもひ侘(わび)
さても命(いのち)は
あるものを
うき
に
たへぬは
なみだ
成(なり)け
り
【左丁 下段】
皇太后宮太夫(くわうだいこうぐうのたゆふ)
俊成(しゆんせい)
世(よ)の中(なか)よ
みち
こそ
な
け
れ
おもひいる
山のをく
にも
しかぞ
なくなる