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吉丸に材木(ざいもく)を満載(まんさい)し午後四時佃島方面より南北|沖合(おきあひ)に船を進行(しんかう)
するの際|暴風(ばうふう)に出会し沈没(ちんぼつ)したるを。金杉一丁目鈴木治三郎外
三名が救助の上芝警察署に届出たり。
●家屋其他の破壊 愛宕町四丁目一番地吉田てふ方一戸、三
田四国町一号地中村與三郎所有二戸及び高輪毛利邸車夫部屋一
戸、同半潰一戸、同破損七十四戸、同不住十八戸、土盤陥入一
ケ所、電柱一本、電話柱二本、墻塀の破壊二百三十六ケ所、樹
木百三十六本、烟突四ケ所。
〇麻布区
●学校壊倒 鳥居坂なる鳥居坂中学校は。先頃より新築に取
掛り。未だ上棟の運びに至らざりしも。略ほ形式丈けは出来上
り居りしに。暴風の為めに壊倒し。同町八番地に建築中の東洋
英和女学校も亦全潰せり。
●区内最も損害の多かりしは市兵衛町にして。家屋半潰 (但
物置)一ケ所、崖の崩壊一ケ所、塀墻の壊倒十六ケ所にして。
同一丁目十三番地先 (派出所裏通り我善坊町に接したる所)の
道路は。崩壊長さ凡一間半、幅五尺の凹所を生じ。交通甚だ危険
なりし。同二丁目二十五番地先に至る間の電信線切断せり。此電
信線は。文部省より天文台に通ずるものにして。同省は一時大に
不便を感せり。網代町一番地大場茂吉の廂、飛んで其近傍にあり
し電信線(でんしんせん)二十|本余(ほんよ)を切断し。三河台町十四番地西洋料理店千代
見軒の跡に先頃より今入町の理髪床藤山が家屋建築に取掛(とりかゝ)り。
大体骨組のみ出来居りしも吹倒され。又材木町三番地先に。二
十軒余。塀柵等の倒れしを見受けたり。
●樹木倒れて報知器を壊る 飯倉五丁目の樹木は。風の最も
盛(さかん)なりし時吹倒れて其傍にありし派出所(はしつじよ)に蓋ひ重なり。遂に
備(そな)へ付(つけ)ある報知器を破壊せり。又飯倉片町華族相良邸内に繁茂
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せし樹木数千株顛倒せり。
●兵営は被害少なし。 兵営は格別(かくべつ)の事なく。歩兵第一連隊に
ては歩哨小屋倒れ。壁其他厠破損し。師団本部の歩哨小屋倒れ
其塀も亦破られたり。
●同区損害の統計を挙れは 家屋全潰二十四戸、同半潰二戸
同破損四十五戸、道路破壊十ケ所、墻塀破損百七十九ケ所(しよ)、樹木(じゆもく)
の倒れ七十本、崖崩(がけくづ)れ二ケ所なり。
〇赤阪区
●赤阪離宮は 青山練兵場に接し居れは。いかゝやと案し奉
りしに。御別条なきよしに承りぬ。又同区は。被害割合に少な
くして。裏町三丁目板塀破損三ケ所樹木四十四本電話柱三本を
倒(たふ)し。電話線三ケ所(しよ)切断(せつだん)し。一ツ木町は墻塀破損(しようへいはそん)三十九ケ所|樹木(じゆもく)
三本|倒(たふ)れ。電話線一ケ所を切断す。福吉町は板塀破損二十一ケ
所、樹木倒(じゆもくたふ)れ三本。榎坂町墻塀破壊九十一ケ所、樹木倒れ三十本
|道路崩壊(どうろほうくわい)一ケ所家屋半潰二ケ所。新町五丁目|板塀破損(いたべいはそん)八ケ所電
話切断一ケ所家屋破損二ケ所。青山北町一丁目は墻壁破損二十
二ケ所家屋破損十八ケ所。同南町墻壁破損三十ケ所。家屋破損
二十五ケ所。電燈線二ケ所切断せり。
〇四谷区
●家屋全潰二戸、東信濃町に一戸、傳馬町一丁目に一戸、電柱(でんちう)
倒(たふ)れ三本、墻塀破損(しやうへいはそん)六十五ケ所、樹木倒れ百六十本、此外石垣
の破損六ケ所、道路の破損十一ケ所、堤防の破損四ケ所、煙突の
顛倒一本、樹木の倒れしもの五十三本、電信柱(でんしんばしら)の倒れしもの
一本、電燈線三ケ所切断す。青山御造営工作場三棟亦全潰せ
り。
〇牛込区
●区内の被害を挙れば 家屋破損(かおくはそん)百二十三戸、潰家二戸、電