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【右ページ上段】
して取調たるが。十二日迄に調査し得し所。左の如くなりと。
富士郡
▲田子浦村川成島新浜 流失全潰八十戸、大破八戸、行衛
不明廿二人、死体発見八人、重傷者廿六人、漁船七十艘全部
破壊、田畑浸水約五十町歩。
▲同村前田新田 流失三十五戸、大破廿三戸、行衛不明十
九人、死体発見三人、重傷者十二人、漁船六十艘全部破壊、
田畑浸水約八十町歩。
▲同村鮫島 全潰七戸、大破四十三戸、行衛不明一人、重
傷五人、漁船破壊四十五艘、田畑浸水約五十町歩。
▲同村田子 全潰二戸、大破卅戸、行衛不明一人、漁船五
十艘全部破壊、田畑浸水約十町歩。
▲同村西鮫島 大破十戸、漁船四十艘破壊、田畑浸水約六
十町歩。
▲同村中丸 全潰九戸、大破二十戸、行衛不明一人、重傷
三人、漁船破壊三十五艘、田畑浸水約七十町歩。
▲元吉原村田中新田 流失三戸。
▲同村砂山 戸数十六全部流失。
志田郡
▲焼津村鰯ケ島 家屋全潰二十戸、流失十一戸、半潰廿二
戸、大破十三戸。
▲同村城の腰 家屋全潰十一戸、流失四戸、半潰十六戸、
大破八戸。
▲同村新屋 家屋半潰四戸、大破六戸 (此外堤防の破壊せ
しは潮除堤防延長約二百八十間なり)。
▲小川村 家屋全潰一戸。
庵原郡
【右ページ下段】
▲興津町 漁屋物置破損十七棟、漁船流失十艘、同破損五
艘、道決壊五十間、電柱破損十一本。
△同清見寺 浸水家屋五十戸。
浜名郡
浜名湖に架設せし橋梁二百十間落失し。篠原にて漁船破損十
数艘に及べり
●御救恤
今回 両陛下には。静岡県水害の義 聞(き)こし召(め)され。御救恤金(ごきうじつきん)と
して金五百円 御下賜(ごかし)ありたり。今にはじめぬ 陛下の民を憫ま
せたまへる大御心(おほみこゝろ)には。感涙(かんるい)に袖を霑(うる)ほさぬものなし。
●遭難者及負傷者の救護
▲静岡県知事は。当日 皇太子殿下奉迎帰応の途中。午後三時
過。県下富士郡元吉原村にて。海嘯(かいしよう)の為め家屋流失(かをくりうしつ)し。被害の
容易ならざるを目撃(もくげき)し。即時警察官吏を派遣(はけん)し。医師の手当(てあて)救(きう)
護等(ごとう)を為し。沼津町に戻(もど)りたるに。鈴川附近及以西一面の水に
て。流亡死傷(りうばうしゝやう)少なからずとの報(はう)に接し。警部長以下警部巡査を
率ひ救護の為め出張したりと。
▲富士郡役所及吉原警察署にては此の変災(へんさい)を聞くや。直(たゞ)ちに
職員総出(しよくゐんそうで)の勢にて。現場(げんじやう)に駆け付け。負傷者の救護(きうご)に尽力し。
重傷者は田子の浦村柳島尋常小学校内を仮救護場として。之れ
に収容(しうよう)せり。其の人員廿八人なりと。尚ほ夫にても不足(ふそく)なる
為め。更に其の附近(ふきん)の民家(みんか)一軒を借入れて。是れに収容せる重
傷者二十名。其の他の軽傷者(けいしやうしや)に至つては。其の幾何(いくばく)なるかを知
らずと。
▲吉原警察署にては。巡査総出にて。尚ほ不足を告ぐる勢なり
しより。駿東郡沼津警察署へ応援(おうえん)を頼(たの)み。同署にては巡査部長
二名。巡査十九名を。田子の浦村の現場に向はしめ。手を分つ
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海嘯被害地村落の図 其二【上部欄外に横書き】