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コレクション: STAGE7

風俗畫報臨時増刊第百九十九號 明治三十二年十月各地災害圖會(前編之續) - 翻刻

風俗畫報臨時増刊第百九十九號 明治三十二年十月各地災害圖會(前編之續) - ページ 6

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【左ページ上段】 てニと為す。一は海上不穏即ち波浪常ならさるの虞あるを示し。 一は海上暴風即ち風波共に甚しからむとするの虞あるを示す。 又海陸警戒は風雨の一般に起らむことを報するものにして。分 てニと為す。其一は風雨即ち天候常ならさるの虞あるを示し。 他は暴風雨即ち危険の大風起らむとするの虞あるを示す。 (因に 記す此暴風警報は何人と雖とも同台気象通報規程に拠り。通報 方の依頼を為し得るものなり)。故に汽船若くは汽車の如き人畜 を導送すへき会社に於ては。此際充分注意し。少くとも一車 一船に一個の精密なる晴雨計を装置し。警戒中は当局者をして 其示度を観測せしめ。以て暴風襲来を予知せしむべし。若し気 圧の示度益々急降するに及んては。運転を停止するか若くは出 発時刻を変更すべきは。尤とも必要なることなり。斯の如き容 易なる方法あれは。当局者に於て予防せられむことを切望す。 また乗客に於ても此方法に基つき。常に注意せさる可からす。 聊か記して卑見を述ふ    ◎記 事     ●暴風雨の進行 今回の暴風雨襲来に就ては。左の中央気象台報告に明かなれば 之を掲出し。併せて同台の報告に基き。暴風進行の図を製し以 て読者諸彦の劉覧に供せむ。     〇十月七日暴風雨概況 去二日以来低気圧襲来の虞ありしを以て。全国警戒中なりしか。 果して甚た深厚なる低気圧は。台湾の南東より北上し。六日午 前四時中心は遠く那覇の東方に達し。翌七日早朝九州四国の沖 合を北東に進行し。正午遠江洋を過き。午後二時十分伊豆半島 【左ページ下段】 を横貫せり。当時伊豆南端の長津呂海岸望楼に於ては。最低気 圧七百十四粍五を示せり。斯の如き低度は。各国共甚稀に見る 所にして。本邦に於ては。既往二十年間。僅に明治廿四年九月 十四日同二十八年七月二十四日。長﨑に於て七百十三粍及ひ本 年八月二十二日恒春に於て七百十四粍六の三回ありしのみ。夫 より中心は横須賀 (七百十八粍七)の南方附近を過き。東京湾に 入り。午後三時二十分東京 (七百二十二粍六)千葉間を経て。午 後四時銚子 (七百二十一粍七)の北方より鹿島洋に突出せり。其 後中心は本州東岸に沿ひて。殆んと北方に急行し。午後七時金 華山沖を通過し。午後十時浦河近傍より日高国に入り。北海道 の中央を貫きて。八日早朝網走辺より阿哥斯克海に出てたり。 而して低気圧の進行は。始め中心の南西海にありし際は。一時 間僅三十浬に過きさりしか。漸次中心の北上するに従ひ。其進 行速度は大に増加し。遠江洋上に於ては。一時間五十浬。鹿島 洋に於ては。六十浬となり。金華山以北は。約百浬となれり。 又低気圧の回転は。中心の周囲二十浬の辺最も強く。中心附近 に於ては殆んと無風にして。風速度は。七日午後四時布白に於 て観測したる。一秒時五十四米 (則ち之を垂直風圧に換算すれ は。六尺平方に付約三百八貫となる。)を最大とす。今回の低気 圧の襲来に際しては。之に先たつこと三日前より。降雨は関西 地方に始まり。尋て関東に及ほし。暴風の当日七日の如きは。 九州を除くの外は。一般に雨天となり。殊に東海道地方は。前 日来引続きて強雨あり。近江伊勢美濃尾張の如き最も多く。二 十四時間の降量百粍 (一反歩約五百五十石)以上に達せり。東京 に於ては。去る五日まては晴天なりしか。同日午前五時四十五分 より雨天に変し。爾来殆んと間断なく降雨ありしも。六日午前 六時に至るまては。気圧の示度及ひ変化ともに平常に異なるこ