翻刻
陸奥 相馬 中邑連 結尾志丸
姿をは底に見るともまよはたとやなきはまゆをぬらす池水
三河 桜木亭皮人
ぬり鞘のはけめのかすみ引空にくりかたなりの三日四日の月
庭柯菴連成
また鍬も入さる春のあら小田にすきもあらせす性なくなり
十千亭道成
宇治山にひける霞は薄茶ほときせんの人の目やさますらん
文喜亭早雄
冨士の山今朝はかすみのほころひて綿ほと峯に見ゆるしら雪
浪上則速
賎の子か手習ふ砂の文字に似てかきけすことく帰る厂かね
朝倉菴三笑
春の来る手本と人のいひならふほにはの梅の青軸
○東都 不二見連 能琴有鶴
此ころの日和はしかとすはらねと横にはならぬ春雨のあし