翻刻
寒(かん)ずれはふみしたゝらの金(かね)醒(さめ)て
鋳物(いもの)にきずのあらんとをしれ
こくうすく早きをそきも子とならず
月のさはりを和(くは)して懐胎
たゞならぬけしきと見えばあひ思ふ
妹背(いもせ)の中も閨(ねや)をへだてよ
ひはず【注①】にて懐胎ならば常〳〵に
良医(りやうい)にあひて薬もちひよ
さらぬだに足の乗物(のりもの)手(て)のやつこ
人なつかひそ【注②】懐胎のみち
山びめ【注③】のをのづからなる雲の帯(おひ)
しめずゆるめずむすぶ懐胎
【注① ひはづ(ヒワズ)=ひ弱なさま。】
【注② 「な……そ」は優しい禁止表現。】
【注③ 山姫。山を守る女神。】