翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

妖怪仕内評判記 : 2巻 - 翻刻

妖怪仕内評判記 : 2巻 - ページ 4

ページ: 4

翻刻

極上上吉 ばけ物のかしら大入道の申つい【申つけ?】を ふれけれはあるとあらゆるはけ物 しうちけいこ所へあつあまりその しうちをそこぢつけける第一ばんに きつねまかりいておどり子の しうちわかしゆがた のしうち 〽てんと市川 門のすけと きたはどこへ ごさるくそうが おくつてやりま しよか 〽おこゝろ さしなら わたくしが まいるあな までおくつて くださりませ 【右ページ下】 きつねおどりこに はけまくそ【馬糞】を さかなには     さむ 〽おきやく さんまひ とつのみ ねヱさかな をはさ みんしよ 〽てんと【天とうまい=ああ美味しい】 むまいの ねときた は きみの お名は なにと いわまの こけ むしろきかま □□□□な 【左ページ】 上上□【上上吉】 第二ばん目にあおさきがしうち これはよるわうらいの人をお どろかすはかりなれどさて〳〵きみのわるきひかりものなり そのありさまたけ五尺ばかりのはしらのこときものに 火もへてあとよりついてくるこれりやうのはがいにて するげいなり あをさきは くびを ちゝめて 四かくのはしら のことくにしてうへに 火をもやしたる よふにはけ 人□【を】おとろかす なりこれりやう のはがいのひかり        なり 【左ページ中】 なんとこわかろうがや ふくろくじゆの ゆうれいとも いつて よい 【左ページ下】 〽のふこわや うどんやか さてはほくてき【?】 のよみせあん どんといふばけ ものだはやく にげあしは 中しま 天かうと でやう

現代語訳

極上上吉 化け物の頭大入道の申し付けを触れ回ったところ、ありとあらゆる化け物が集まって稽古所へやって来た。その芸を披露したところ、第一番に狐がやって来て踊り子の芸を披露した。 狐「てんと市川門之助と来たらどこへいらっしゃるのでしょう。お送りいたしましょうか。」 踊り子「お心遣いいただけるなら、私がまいりますあの辺まで送ってくださいませ。」 狐は踊り子に化け、馬糞を肴にして: 「お客さん、舞を一つ踊りましょう。さあ、肴を挟みましょう。」 「ああ美味しいですね。ところで君のお名前は何と言うのですか。」 上上吉 第二番目に青行燈の芸。これは夜の往来で人を驚かすばかりではあるが、なんとも気味の悪い光り物である。その様子は、丈五尺ばかりの柱のような者に火が燃えて後ろからついてくる。これは両方の歯がいで行う芸である。 青行燈は首を縮めて四角い柱のようにして、上に火を燃やしたように化けて人を驚かす。これは両方の歯がいの光である。 「なんと恐ろしいことだろう。福禄寿の幽霊とも言ってよい。」 「のう恐ろしや。うどん屋か、それとも北敵の夜店か。行灯という化け物だ。早く逃げよう。中島天王寺だ。」

英語訳

Supreme Excellence When the proclamation of the Great Entrance Hall Demon, leader of monsters, was announced, all manner of monsters gathered at the training ground. When they demonstrated their arts, first came the fox to perform the art of a dancing girl. Fox: "Well now, Ichikawa Monnosuke, where might you be going? Shall I escort you?" Dancing Girl: "If you would be so kind, please escort me to that place I'm going." The fox transformed into a dancing girl, using horse dung as a side dish: "Dear customer, let me perform a dance. Come, let us share some side dishes." "Oh, how delicious! By the way, what is your name?" High Excellence Second came the blue lantern's art. This merely frightens people on nighttime streets, but it is indeed an eerie glowing thing. Its appearance is like a pillar about five feet tall with fire burning and following from behind. This is an art performed using both sets of teeth. The blue lantern shrinks its neck to become like a square pillar, appearing to burn fire on top to frighten people. This is the light from both sets of teeth. "How frightening this is! It could well be called the ghost of Fukurokuju." "Oh, how terrifying! Is it a noodle shop, or perhaps an enemy's night stall? It's a monster called a lantern. Let's flee quickly to Nakajima Tennoji."