翻刻
【右丁】
五 度(たひ)程に鍋(なべ)へ入れ加減(かげん)よく煮(にえ)
たる時 箸(はし)をもつてかきまぜ
糸口(いとぐち)をこと〴〵く取(とり)半分斗(はんぶんばかり)
傍(かたはら)に置 能(よ)き程もち是に口(く)
伝(でん)あり鍋(なべ)の縁(ふち)に馬(むま)の尾(お)或(あるひ)は
女(をんな)の髪(かみ)の毛(け)を小(ちいさ)き輪(わ)にし
是を結(ゆ)ひ付(つけ)此 穴(あな)に糸(いと)を通(とを)し
図(づ)のごとく竹の籆(わく)に巻付(まきつけ)る
尤(もつとも)わくは女の真向(まむき)に横(よこ)に
なし図(づ)のごとく右(みき)の手(て)に
て手前(てまへ)のかたへうち廻(まは)す糸(いと)
【左丁】
口(くち)細(ほそ)くなる度毎(たびごと)に少(すこ)し宛(づゝ)
取添(とりそへ)てむらなき様に巻付(まきつく)る
なり又まゆは余(あま)りにえ過(すぎ)れは
糸(いと)くちよはし又 奕(にえ)#1ざれは糸(いと)
口(くち)出(いで)ず是(これ)に加減(かげん)あるべし
又一 方(はう)に籆(わく)の右の方へ車(くるま)二ッ
仕(し)かけ是につよき糸(いと)をかけて
早(はや)くまき付(つく)る法(はふ)あり図(づ)に
あらはす糸取(いととる)仕法(しはふ)流義(りうぎ)多し
宜(よろ)しきをもちゆべし
又 糸(いと)をあげる繅車(おほが)これも
【右丁図中】
丹波丹後
但馬
糸とる図
【左丁図中】
奥州(あうしう)流
糸とる
図