翻刻
は唯其厚恩を謝するのみにて到底即答に苦し
み退て評議し尚伺ひ奉るへしと答ふ又諭して
曰開国の機運に際会し旧弊一掃万機 親裁の
世となり欧米及ひ清国とも条約を結ひ彼此公
使を派遣し互に在留交際し大に昔日の面目を
改め百事宇内の公法に基き四海一家の如く人
民を相護し相侵さゝるの同盟を為す是れ今日
の世態なり抑琉球は従来我か薩摩の付庸たり
然るを世人或は所属未定の如く皮相するもの
あるか為か外人は亜細亜航海の便路を開と称
し該地に拠り修航場とせんと企図するものも
ある由なれは予め公法に照し我か保護上の任
を尽すに足るへき備なけれは其時に臨み其藩
より何程の訴を起すも遽かに之を治むるの術
なかるへし旁深遠の廟議に出て其藩保護の為
め鎮台支営を那覇港上に建設せらるゝの内議
なり且其藩民曩に台湾に漂到し禍害を受け非
常の事変を醸し及一昨年七月漂船洋中困難の
際米船扶助して清国に到り我領事に交付し近
くは昨年五月には定海に漂着し又七月には五