琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: 琉球大学所蔵 琉球・沖縄関係資料 vol. 1

南島紀事 下 - 翻刻

南島紀事 下 - ページ 58

ページ: 58

翻刻

城王子上京歎願の次第あれとも固より廟議確 定の上なれは今更聴許せらるへきにあらす尚 典よりの願書は却下せられたりとの報あり《割書:盖|鍋》 《割書:島県令赴任ノ際其筋ヨリハ|委曲松田書記官ニ報道アリ》是日松田書記官は 相良少佐高階侍医を伴ひ旧藩王を中城邸の病 褥に訪ひ侍医診断して病状を詳かにせり乃ち 旧藩王の病体旅行に差支なきを認め既に政府 に於て延期聞届られさる上は一周日内を以て 発程の期日を定め申出へき旨を照会せり旧藩 王に於ては猶請ふ所ありといへとも数回談判 の末二十七日発程東上と定まりたり二十七日 旧藩王は其二男宜野湾王子を携へ与那原富川 内間親里等以下数十人を随へ那覇に到り相良 少佐高階侍医等に伴ひ東海号に搭して東上せ り二十四日旧藩廟に属する武器銃砲弾薬其他 渾て陸軍分遣隊へ引渡すへき旨を達し《割書:廿八日|之ヲ受》 《割書:取|ル》六月四日従来下付せられたる旧藩印章《割書:一顆|銅》 返納せしむ《割書:藩印下渡達書及ヒ条例|ヲ併セテ十一日返上ス》松田書記官 は処分の事全く畢り将に帰京せんとするに臨 み士族総代二百名を召喚し前途の方向を教示