翻刻
下せしに十八日に至り八十日間延期の為め中
城王子上京請願することを許されたしとの願
書を呈せり因て書記官慮る所あり延期の事三
十日乃至四十日間ならんには 勅使の滞留を
請ひ中城王子は謝恩として明治号より上京あ
るへし若し猶八十日を要するに於ては中城王
子をして東上直に政府に向て歎願あるへし此
二の中一を択ひ速に決答あるへしとの書面を
藩王に贈りけれは終に中城王子は按司親方等
数名を率ゐ出張所に来り 勅使に謁し八十日
間延期の為め嫡子尚典東上せしめたき旨尚泰
よりの願書を呈せり因て 勅使は書記官と議
し即之を許し発程日限を廿五日と定む已にし
て期日に至りしか前夜よりの暴風雨にて乗船
に至らす二日を延し二十七日に及ひ 勅使は
中城王子を伴い明治艦に搭し東上す五月十八
日郵船東海号那覇港に入る此時旧藩王病気御
慰問として宮内省御用係陸軍少佐相良長発五
等侍医高階経徳等を差遣はされ県令鍋島直彬
少書記官原忠順等同船入県あり是より先き中