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【右】
より虎列刺(これら)を防(ふせ)ぐべき良法(しかた)を施行(しかう)せらるゝとき
能(よ)く其(その)主意(しゆい)も分(わか)り其(その)規則御(きそく)を循(したが)ひ守(まも)りて諸俱(もろとも)に力(ちから)
を尽(つく)し用心(ようじん)する信意(しんい)も確(しか)と定(さだ)まるべし政府(せいふ)の法(おふれ)
は如何(いか)ほどに深(ふか)き仁恵(めぐみ)のありとても人民(じんみん)共(とも)に其(その)
法(おふれ)を助(たす)けて之(これ)を行(おこな)はねが仁政(じんせい)も亦用(またよう)をなさず猶(なほ)
耕作耨(かうさく)と培養(こやし)とに曾(かつ)て力(ちから)を用(もち)ひずして豊穣(ゆたか)の収納(しやなふ)
を神仏(しんぶつ)に禱(いの)ると同(おな)じことなるべし
さて其(その)手段(しやだん)は第一(だいいち)に虎列刺(これら)を豫防(よぼう)することにて病(やまひ)
の此町此村(このまちこのむら)に入込(いりこま)ぬ様(よう)予(あらかじ)め用心(ようじん)するの仕方(しかた)なり
第二(たいに)は既(すで)に此町内此村内(このちやうないこのそんない)に入(い)りたる後(のち)に施(ほどこ)し行(おこな)
【左】
ふ仕方(しかた)にて虎列刺(これら)を制伏(せいふく) ないふせる 法(ほふ)なり病(やまひ)の来(き)たら
ぬ其(その)前(まへ)に豫防(よぼう)をなすは入込(いりこ)みたる後(のち)に制伏(せいふく)する
よりも勝(まさ)れることは誰々(だれ〳〵)も渾(すべ)て同意(どうい)の筈(はづ)なれど成(なる)
丈(た)け虎列刺(これら)の町村(ちやうそん)に入(い)り込(こ)まぬ様(よう)注意(ちゆうい)して防御(はうぎよ)
をなすこと肝要(かんえう)なり家(おへ)に入(い)り込(こ)みたる盗賊(たうぞく)を捕(とら)ふ
るは先(ま)づ盗賊(たうぞく)の入(い)らぬ様(よう)戸締(とじまり)するに如(か)かずとは
古昔(むかし)よりの金言(きんげん)なり
第二章
虎列刺(これら)其他(そのた)の傅染病(でんせんびやう)を豫防(よぼう)する各人(ひと〴〵)の心得(こゝろえ)