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【右】
し其(その)肉(にく)腐(くさ)りたるか又(また)は病(や)みたる肉(にく)なれば吐(はき)下(くだし)
或(あるひ)は熱病(ねつびやう)を起(おこ)すことなる故(ゆゑ)甚(はなは)だ危(あや)うきものな
り凡(すべ)て肉類(にくるゐ)の悪臭(あしきか)を放(はな)ち紫黒色(くろむらさきいろ)或(あるひ)は蒼白色(あをしろいろ)を
現(あら)はすものは食料(しよくれい)に適(てき)せざるものと知(し)るべし
<第五>熟(じゆく)せざる果実(くだもの)又(また)は腐(くさ)りかゝりたる果実(くだもの)を
食(く)ふべからず
<第六>黴(かび)を生(しやう)じ或(あるひ)は腐(くさ)りたる蔬菜(やさい)を食(く)ふべから
ず
<第七>黴(かび)を生(しやう)じ又(また)は饂(すえ)かゝりたる米飯(めし)を食(く)ふべ
からず
【左】
<第八>腐(くさ)りたる酒(さけ)、醤油(しやうゆ)等(とう)及(およ)び酒類(さけるゐ)の贋造物(にせづくりもの)を
用(もち)ふべからず
<第九>総(そう)じて日常(まいにち)の飲食物(いんしよくぶつ)は十分(じふぶん)に心附(こゝろづ)け力(つと)め
て清潔(せいけつ)にし時々(とき〴〵)黴(かび)を生(しやう)ぜざるか悪臭(あしきか)を放(はな)たざ
るか腐(くさ)かゝらざるかを注意(ちゆうい)すべし
<第十>夏秋炎暑(なつあきのあつさ)の時候(じこう)に在(なつ)ては多分(たぶん)に生物(なまもの)を喫(く)
ふべからず 下痢(げり)の常習(くせ)なる人(ひと)は、尤(もつとも)用心(ようじん)すべし」
総(すべ)て虎列刺病(これらびやう)流行(りうかう)のときは假令(たとひ)新鮮美良(あたらしきけつこう)の食(しよく)
物(もつ)たりとも十分(じふぶん)に飽食(たいしよく)すべからず 始終(しじう)節度(ひかへめ)に
すべし 大酒(たいしゆ)はことによろしからず