翻刻
【右】
丁 他人(たにん)との交通(まじはり)
<問>人々(ひと〴〵)各自(めい〳〵)の交通(まじはり)は如何(いか)なる注意(ちゆうい)をなすべきや」
<第一> 凡(すべ)て劇場料理店(しばゐれうりや)寺院(てら)旅店(はたごや)其他(そのた)工場(こうば)製作(せいさく)
場(ば)鑛業場(かもほりば)等(とう)にて衆多(おふく)の人(ひと)の羣聚(くじゆ)する場所(はしふ)は各(ひと)
人成(ぐな)るべくは暫時(おり〳〵)其場(そのば)を出(いで)て新鮮(あらた)なる空気(くうき)を
適宜(よきほど)に吸(す)ふ様(やう)にせしむべし呼出(はきだ)したる空気(くうき)を
直(すぐ)に復(ま)た吸入(すひこ)むことは極(きは)めて体害(たいがい)になり且(か)つ
皮膚(ひふ)より蒸発(じようはつ)する氣(き)を吸入(すひこ)むも亦(また)害(がい)ある故(ゆゑ)に
久(ひさ)しく一處(いつしよ)に集(あつま)り居(を)るは宜(よろ)しからず殊(こと)に右等(みぎら)
の場所(ばしよ)にては飲食(いんしよく)を節(いちば)にし且(か)つ成(な)るべく飲酒(いんしや)
【左】
等(とう)を戒(いまし)べし
<第二>人力車夫(じんりきしやひき)の疾走(かけること)度外(どぐわい)に久(ひさ)しきに過(す)ぐるは
宜(よろ)しからず 人身(ひとのみ)の心臓肺臓(しんざうはいざう)は其(その)結構(たてけつ)して此(この)
様(やう)なる劇(はげ)しき労働(ほもをり)に堪(た)ふべきものに非(あら)ず一日(いちにち)
に十里(じふり)以上(いじやう)の路(みち)を疾走(かえ)るときは害(がい)なりと知(し)る
べし
<第三>婦人小童(おんなこども)は職工場(しよこうば)製作場(せいさくば)等(とう)にて餘(あま)り度(ど)に
過(す)ぎたる労役(ほもをり)をなさゞるを宜(よろ)しとす 且(か)つ此等(これら)
の場(ば)にては新鮮(あたら)しき空気(くうき)善良(ぜんりやう)なる飲水(のみみづ)及(およ)び相(さう)
當(たう)する滋養品(やしほひしな)を受用(じゆよう)せしむべし