翻刻
【右】
ざる様(やう)注意(ちゆうい)するを良(よし)とす
<第七>各人(ひと〴〵)常(つね)に「フラネル」或(あるひ)は紋派織(もんぱをり)の腹帯(はらおび)を巻(ま)
き《割書:幅(はゞ)八(はつ)|寸(すん)位(ぐらゐ)》夜中(やちう)も成(な)るべく之(これ)を解(と)くべからず炎暑(あつき)
の時(とき)に裸體(はだか)又(また)は雨戸(あまど)を開(あ)け放(はな)ちて眠(ねむ)るべから
ず晝夜(ちうや)温度(おんど)の不平均(むら)に感(かん)ずるときは劇(はげ)しき腸(ちやう)
加答児(かたる)を起(おこ)すことあり慎(つゝし)むべし
<第八>下痢(げり)の兆(きざい)あるときは決(けつ)して生物(なまもの)又(また)は消化(せうくわ)
あしき物(もの)を食(く)ふべからず粥(かゆ)或(あるひ)は葛湯等(くずゆとう)を用(もち)ふ
るを良(うよし)とす若(も)し下痢(げり)を發(はつ)するときは警察分署(けいさつぶんしよ)
或(あるひ)は町村(ちやうそん)役場等(やくばとう)に備(そな)へたる薬(くすり)を用(もち)ひ直(すぐ)に醫師(いしや)
【左】
を頼(たの)むべし
<第九>右(みぎ)の如(ごと)く注意(ちゆうい)用心(ようじん)するの後(のち)虎列刺病(これらびやう)尚(な)ほ
其(その)家(いへ)に侵(おか)し入(い)りたる取敢(とりあ)へず其筋(そのすぢ)へ届(とゞ)
け出(い)で先(ま)づ健康(たつしや)なる人(ひと)を引分(ひきわ)け看病人(かんびやうにん)の外(ほか)は
病人(びやうにん)に近(ちか)づかしむべからず其(その)吐下(はきくだ)したるもの
又(また)は之(これ)に汚穢(けが)れたるものは決(けつ)して之(これ)を便所(べんじよ)往(わう)
来(らい)下水(げすゐ)芥溜(ごみため)田圃(たはた)溝川等(みぞかはとう)に棄(す)つべからず一たび
之(これ)を等閑(なほざり)にするときは一人(にん)の不注意(ふちゅうい)より數千(すうせん)
萬人(まんにん)を殺(ころ)すに至(いた)るものにて豫防中(よぼうちう)の第(だい)一に肝(かん)
要(えう)とする所(ところ)なり現(げん)に昨年(さくねん)も虎列刺病者(これらびやうしや)の汚穢(よごれ)