翻刻
【右頁】
徳を顕はさんとす《割書:予|》も亦その
巻の末に五七五を並ふるは所謂
尺恩寸謝と見ゆるし給へかし
春に逢ふ老蘇の樹々も雨の恩 雨耕
懈怠なく調息する時は心気を
養ふの一助ならんと杏霞翁の
金言むへなる哉こは万病の
治るの根元にして是なん済世
の宝筏ともいふなるへし
【左頁】
悟つたるふりして浮ふ蛙かな 雨麦
さし引の潮を花にさくら貝 蜂要
百瀬氏の新禧貺【左に「トシダマ」と傍記】は常に服して気
を養ふの聖効尊としされは其/因(チナミ)
容安居より今も猶春毎におくら
るゝは実にちとせ寿く未曽有の
奇品ならん
気を開く薬も梅の莟かな 和秀
柳最【「㝡」。「㝡」は「最」の俗字】ふ寒さの色を忘れけり 歌女