翻刻
【右頁】
難(かた)く事(わさ)に誘(ひか)れて怠(おこた)り易(やす)きことあるを今(いま)夢(ゆめ)に
来(きた)りて警(いま)しめたまふにこそあるらめそも〳〵此(この)
養生一家春(ようじやういつかのはる)の巻(まき)は 先師(せんし)自(みづか)ら筆(ひつ)して板(はん)に彫(ほ)らせ
親(した)しき人々(ひと〳〵)に贈(おく)りたまひしが今(いま)は板(いた)も癈失(はいしつ)して
此(この)編(へん)あることを知(し)る人(ひと)も稀(まれ)なるを容安居(ようあんきよ)の几上(きしやう)に
於(おい)て繕写(ぜんしや)【文書や書類を集めて書き写すこと】し二(ふた)つの巻(まき)を一(ひと)まきに合(あは)せ再(ふたゝび)桜木(さくらぎ)に
鏤(ちりば)め聊(いさゝか) 先師(せんし)の深恩(しんおん)を報(むく)ひ且(かつ)あまねく世(よ)に弘(ひろ)
めて養生(ようじやう)の神術(しんじゆつ)を示(しめ)し共(とも)に寿域(じゆいき)【長寿の境地】に至(いた)らんこと
をこひねがふのみ
高田立節《割書:信辰|》謹識
【左頁】
仁医養中老人東都に在し時
東西の疾病あるものを療し
英名を耀しけるか其頃《割書:予|》も
病床に臥して旦夕にあやふかり
しを救はれ猶調息養生の法
を教諭受しより多年健なる
事病前に異ならすされや其門下
高立節子師か妙術を書おかれ
し小冊を再板して四方に其