翻刻
【右丁 前頁の左丁と同様】
【左丁】
一徳兵衛印度之内マメラと申所江入津のよし語れ共是は実の
天竺に而は有へからす安南コウチの内歟又はシャムロ国の内
なるへし実の天竺釈迦仏出世の地はシャムロゟマラッカ
スモタラの海峡を廻り数千里の遠海より香港江僅七八日に而
帰帆せしといへ者弥安南地方成へし乍併古来ゟ此地を指し
て/印度(天竺)といふ事古書に多くあり既に播州高砂浦の赤穂屋
徳兵衛寛永の始よりシャムロ江通商せし処無程御停止と
相成候此徳兵衛を世に天竺徳兵衛と云天竺江渡ると自
分もいひし也日本国の人漂流又は渡海の天竺たるもの
は悉皆此シャムロ地方にして実の天竺にはあらす