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コレクション: 漂流記コレクション

漂流夢物語 - 翻刻

漂流夢物語 - ページ 4

ページ: 4

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【右丁】 申者《割書:但此船主摂州大石村|松屋又右衛門船住吉丸也》便船改呉候様相頼従是都合十七人乗に 相成同廿六日順風同所出帆廿七日八日相模灘遠江灘をも走り廿九日 晩方日和も能に付志州安乗沖乗出し候処大王崎辺江乗掛之節 夜四つ時頃俄に大風雨と相成其時之難義筆紙に難尽候一同必死に 相働候へ共翌丗日には山に霧掛り東西更に分らす八つ時頃ゟ東風か 北風にかはり殊外高波に相成/滄(アカ)凡五六尺も入て楫破れ船危く相成候故 船中之者共船頭万蔵江相談を掛帆柱を切捨/伊雑(イソベ)様《割書:志州磯部|大神宮也》金毘 羅様江立願仕髪を切捨申候此節江戸ゟ同日出帆凡百艘計り何れも此難風 に逢弐拾五六艘は漂流或は破れ行方不知相成候由帰国後承り申候 扨又此帆柱を切に付船表に碇弐挺加賀苧綱弐筋つゝさし卸し艫すさり 【左丁】 にして八丈之沖男島より凡五六里も沖合を流れ後には島も山も不相見 喰物味噌醤油薪水等も次第に減り又は汐にひたり抔いたし不自由に 相成折々大じけ来り心細き事いはん方なく一同生たる心地更に無之 殊に十二月五日之大じけに表の船梁破れ此時も滄四五尺も入滄の 通ひ道二筋三筋出来有之候付衣服夜具様のもの手に掛り次第裁 破り滄止めに致候又同十九日大じけいたし此時は最早致方無之覚悟 いたし罷在候処伊雑様金毘羅様之御加護有之其日も相凌き 廿日の夜彦太郎夢に助け船参ると見候由申聞候間一同何卒夢の 合候へかしと申罷在候処同廿一日朝向より帆影見ゆる由安太郎見 出し候故一同之者船の上江出見受候処帆影次第に近く相成追々