翻刻
【右ページ】
六
し。愈々高ければ。愈々軽し是高山に升れは。其気常
に軽踈なる所以なり。《割書:
銓気管を、以て、之を験す|れは、高山の上に於ては、》
《割書:著しく、低降をみ|る者、亦此理なり、》
人身の表皮は。気孔最多く。此孔に由て。身中の
廃液を蒸発し。或は他質を。吸収し、凡そ飲食す
る所の、元気身体を。養栄する者。終に此気孔よ
り。發泄する者。其八分の五に居る。余は他道よ
り。導泄するを以て常とす。故若し此蒸発気を。
窒塞することあれば。尤も危害をなすことあり。
此気の。利害をなす。理由を。解得せんと欲せば。
【左ページ】
試に衰気器と。排気鐘とを。以て。気をあつめ。分
つの。作用によりて。動物《割書:狗、猫、鼠|雀の類》一二分時間に
して。之を死せしめ。又之を活せしむることを。得
るなり。これ。天地間の。万有は、気の効要により
て。生死する所以の。理由をしるべきなり。
しかればしかれば。今考ふる所の。悪疫の原因は。かの。窒
気と。嘗て潜伏する所の。外邪と。相応して。此大
害を。発することをしる時は。之に因て。其予防芟
除の。方法を。講究せざるべからざる者と。確信
するなり。
七