翻刻
【右丁】
【上段】
肝(かん)の臓(ざう)のつぎは腎(じん)の臓(さう)なり
じんのざうはかたちくろくして
水なりそれゆへ水ぶね
そのほかいれものこばち
なんでも水のはいり
さうなものへはやたらに
みづをくみこませからだ
のうちへうるほひをつけ
てゐるみづ屋なりしかも
かんのざうとはぢきにと
なりあはせにてべつ
してねんごろしんるい
どうぜんなりずい
ぶんみつをへらさぬ
やうにしやうばい
大せつにしてゐれ
どもきつくしんらう
くろうでもあるときや
またとんたことできを
もんだりふやうじやうな
ことがあるとさんやうの
ほかのみづかへるなり
あるとき一夜のうちに
じんのざうが所の水
よほとへりけるゆへ大
きにおどろきかんの
ざうひゐぶくろ
をよびさうだん
する
【左丁】
【上段】
〽かんのざうさまは御りんか
と申一ツ御はらのこと
なればさつそく
おとゞけ申ます
さくばんだんなしんの
ざうさまからなん
の御とゞけもござら
ぬにどういたしたる
此とをり水がへり
ましてござるひい
ぶ〱ろさまには
なんぞさくや水の
へりさうなものを
あがつたを帳めんに
御つけおとしかたゞし
くわへのにころばしを
たんとあがつたをおは
すれなどゝ申こと
ではござりませぬか
〽これはさう〳〵
うなぎさまご
ごぼうおゐどを
わたくしかたへ
ねかつて
うけ
とろふ
【右丁】
【下段】
〽これでもう一や此とをり
に
みづがへつてごらう
じろ
わたくしなどは
ぞんじがけない
あごではいを
おはねばなり
ませぬ
水屋の
たはこ
ぼん
どうも火が
もちかねる
【左丁】
【下段】
〽腎(じん)ざう
な
ことでは
ない
〽きも玉にこた
へると申せば
これ
ほど
の水の
へりではぜひ
こたへがあるはづ
で
ござるかとふも
これもみづものだ
しれないもんだ