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コレクション: コレクション3

牛痘辨非 - 翻刻

牛痘辨非 - ページ 6

ページ: 6

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【右頁】 再痘(さいとう)を免ず種痘(しゆとう)の針痕(しんこん、ハリノアト)より増(ます)事なき沴気(れいき)の感觸無(かんしよくなき)が故なり 其毒尤深(そのどくもつともふかき)が故を以て敢(あへ)て蔓延(まんゑん、ハビコル)に至らざるは其/沈伏(ちんふく)の毒出る事なき 故なり痘後の人にても亦/能発出(よくはつしゆつ)するを以て所謂(いわゆる)様痘(やうしよう、ホウソウノカブレ)の類(るい)にして 正痘おつべからざる事/明白(めいはく)なるを知べきなり然(しか)るを痘は一生一発のもの 故一二/顆(くわ)にても發すれば再痘(さいとう)せぬと思ふは甚(はねはだし)き愚(ぐ)といふべきなり古人(こじん、イニシエノヒト)も 鶴頂(つるいたゞき)を発(はつ)せざれは其/聲(こゑ)を宏(おほい)にせず蟹売(かにうり)を脱(だつ、スカ)せざれば其/脱脱(はしの)大に せば虎爪(とらつめ)を転(かへ)されは其威(そのい)を奮(ふる)はず人も出痘(しゆつとう)せされば太陰陽明(たいいんようめい)の 毒発(どくはつ)洩(せつ、モレル)せず壽域(しやいき)に登(のぶ)る事を得(え)ずといへり此言至理(このことしり)にして易(かふ)べから ず然ればいかで僅数粒(わづかすうりう)の種痘にて畢生(いつしやう)の巨(きよ、オホキ)毒(どく)を除(のぞ)くの理あらん や一時幸(いちじさいわい)に免(まねかる)るに似(に)たりといへ其/毒竟(どくつい)に尽(つく)る事なく後或(のちあるひ)は 【左頁】 再痘(さいとう)を発するか或は驚癇(きようかん)等の病を発(はつ)して死(し)に至(いた)るもの予が親(した)く 目撃(もくけき、ミキワムル)する処なり或は幸(さいはい)に再痘(さいとう)せざるもの有といへ其是/偶中(くうちう、マグシアタリ)にして 牛痘(きうとう)の験(けん、シルシ)にはあらず世に終身痘(しうしんとう)を患(うれへ)ざるもの少しとせず此等(これら)は 毒(どく)の微(び、スコシキ)なる□□のにして或は繦緥(きょうほう、ムツキ)の中に一二顆(くわ)を陰所(いんしよ)に発して父 母是を知らざるなり又/老年(ろうねん)にいたりて出痘(しゆつとう)するあり是毒の尤 沈伏(ちんふく)して沴(れい)気の感染漸遅(かんせんやうやくおそ)きものなり是等の人に種痘(しゆとう)する時は 免(まねかる)るんい似たりといへ其年を経(へ)て再痘せん事/計難(はかりがた)く驚癇(きようかん)の害(がい) 免(まねか)れ難く遇驚癇(さま〳〵きようかん)を免るありといへ其/異症(いしよう)を醸出(しよう、カモシイダス)して 終身(しうしん)不具(ふぐ、カタワ)の人となるも亦少からず是皆/却(おびやか)すに針(はり)を以てし 気血(きけつ)の流通(りうつう、ナガレ)を壅塞(ようそく、フサギ)し隧道(すいどう、チノミチスジ)をして通ぜざらしむ故に此等の