翻刻
【右丁】
めくらしつゝかゝるかしこさをあまねく
世にしらしめんはもとよりねかふところ
なれはなへてわか邦の家々につたふる
ところをよひもろこしはたえひすの
国まてをも遠くもとめひろくあつめ
すくれたるをあけ萃れるをぬきて
書なりぬ実に天明七年の春になん
名つけて済急方といふさるかしこき
【左丁】
御めくみをもてかく世のたからとなり
ぬへきはもとのりかいさほしなり
かなしいかな天台に雲かくれたまひて
此まきを 御覧にそなへさりしことゝ
泣血帙にそゝく然るに今あらたに
御世つかせおはしましてかゝることゝも
うちをかせ給はすかの
おほん徳を世にあらはしかつはたみの
【注 「いさおし(正しい歴史的仮名遣いは「いさをし」)」=功績。】