翻刻
【右丁】
笑草(ワライグサ)採薬(サイヤク)しても漢名(カンメウ)にまた蛮名(バンメイ)
もむづかしくしらべた所がひまづひへ
費(ツヒヘ)るまゝにさしかゝる。御山(ミヤマ)の広は
霊異(レイヽ)なる事今更いふもくだ〳〵し
昔語(ムカシガタリ)にふじ山(サン)で近江の湖水(コスイ)を
埋たれば。余程の新田ができるとは
【左丁】
やつぱり是も山 咄(バナ)しまた金銀銅(キンギントウ)の
出(デ)るよふすも見へず物 広大(コウダイ)なれば手が
届(トヾ)かず手のとゝかざるは金のたらざる
なりこゝにおゐて止(ヤ)むにはしかじ
止むに至(イタ)りては古人を友とするにしかず
友としてこゝろを慰(イ)するものは風来