翻刻
【右丁】
と呼(よば)る人の中に人なく女郎(じよろう)の中に女郎まれ
なり貴(たつとき)かな得(え)がたきかな或(あるひ)は骨太(ほねぶと)毛(け)むく
じやれ猪首(ゐくび)獅子鼻(ししはな)棚尻(たなつしり)虫喰栗(むしくひぐり)のつゝ
くるみも引(ひ)け四ツの前後(ぜんご)に至(いた)れは余(あま)
つて捨(すた)るは一人もなくひろいところかァゝ
お江戸なり
午のはつはる 福内鬼外戯作
【左丁】
骨(ホネ)を粉(コ)にして命(イノチ)を縮(チヽ)める程のおもひ
をしても残るものは借金(シヤクキン)《割書:ソコデマゝヨ》
今年はてふど庚申(カノヘサル)。何事も是から
先のゑんぎにもと。ふじ参詣(サンケイ)の思立(ヲモイタチ)
牛(ウシ)は牛づれ馬は馬 連(ツレ) 同気(ドウキ)相 求(モトメ)る
友(トモ)弐三人うち伴(トモナ)ひ行手(ユクテ)の道も