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コレクション: STAGE1

草津温泉誌 全 - 翻刻

草津温泉誌 全 - ページ 9

ページ: 9

翻刻

り原を隔て渓に傍ふて村あり遠く之を望めば常に白雲香靄 の際に明滅す蓋し山川霊淑の氣發して鑛泉と為り泉烟欝蒸 の致す所問はすして草津たるを知るべし是れを上毛東北の 極とす郡吾妻に属し信濃を距る三里にして近し其地たる檑 盆状を為し凹處に許多の泉源を開く就中最も大なるものを 此没上の湯口とす村の中央に在りて東北に面し縦横凡三十 五尺許其全面より觱拂たる温泉晝夜歇む時なく滾々とし噴 湧す即瀧湯の原泉なり之に亞く者は御座、熱、和志、地蔵湯の 澤にや川原等なり他は略して汜さす本邦因より温泉に富むと 雖も其壮大なるに至ては本泉を以て巨璧と為す断して他に 其比を見さる所なり泉流に浴ふて数多の浴室を設け浴室に 接して民居舘環の如く連簷櫛比す而して兵陸原野之を囲 み名山巨峯皆一瞩に皈し青林紅樹橘花瑶草芳を呈し豔を献 し桃紅桜白の夏に笑ひ鴬歌鵑語の秋に媚ふる耳目の触るゝ 所適としてならざるなし其景致殆と幽邃清雅を極む啻驪 山冬月の瓜の如きのみnあらす且居を翠徴の間占むるを以 て地気高燥頗る新鮮の大気に富めり英人イースベンソン【カタカナに線を引く】氏 曽て此地を測量するに海面より高きこと四千五百尺と云う 故を以て季候清冷三伏の候と雖も復人間に苦熱あるを知ら す而して余寒は厳冬より勁しく残暑は盛夏より酷し人或は