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○藤亀戸天神宮楼門の前御手洗の池の上左右に桐
あり紫白のこなぶさ池水に影をしづめて底さへ匂ふけしき也
此辺多枯の浦底さへ匂ふ藤法をかさして行ん見ぬ人のため柱本人丸
○藤佃嶋住吉社神前子方六十余丈棚枝葉つら
なり一向にそらをとぢて木の下図の陰茶店多く酒肴を
貯ふ花は紫白根は二もとあり格別の住吉も故の名所也
住吉の岸の藤浪わか宿の松にすへに色はかはらし霊威
此島は江都の地をはなるゝ事わずか一町がほとにしてひとつ
の離も島なり方百間ありと云嶋中みな漁をわざとして
町といへともまばとに鄙めき干綱の下道ほそく東南の
岸は常に磯打浪の音油井奥津の風情ありわつか一町を
はなれて十里の浪路も載たるおもひに心さびしくおもしろし
帯のとりゐと異也
の前に棚有
一上席山王社鳥居常に棚と君也の前に棚有
上野山王社
鳥居
さうがうの鳥居と云
わたり二十間に及ぶ紫白英をたれてなゝめならす抑当山は
くわんじやう
江陽の比叡座うつさるにより日吉のやしろも同じう動請あり
はしめは吉祥国の東手すこし小高き所に鎮座あり中堂
御草創のみぎり山口に遷さる誠に麓にあるは理りにこそ
浅橋春哲
二章うつしおく泣のみや身を守るとて梺にやらる神とうそきけ
○藤根岸の里空鏡山有光寺と云曹洞の禅林也
一堂のうしろに井天の宮ありその池辺にそびて三十余間の
棚紫白の色をあらそふ門内に鏡の松有
藤の実を炒て酒に入れは酒賊れす敗酒に入れは味正しく
なるよし本草に見えたり又藤の報んずる時酒をそかけば
すなはちいき
一即活 ̄ル故を瓶に生るに酒を加ぶれは久しく基まず
○時鳥高田の里毘沙門堂の林
宝泉寺
せん
禅英山といふ毘沙門堂は小高き山のうへに有千とせの松
にもとにいもりか池なと古き詩をとゞめ新樹は空をとぢマ
すゞしく行かふ人おほからていと静しなる台株なり