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コレクション: STAGE9

日本温泉考 - 翻刻

日本温泉考 - ページ 35

ページ: 35

翻刻

出雲 意宇郡《割書:(ラ)| 》玉造 《割書:玉造村ニアリ凡二拾間以内ニ三泉アリ、泉水ハ帯緑灰|色或ハ薄キ褐色ノ稍硬キ砂石ヨリ湧出ス(一)甲ハ河》  《割書:畔ヲ距ル凡五間ニシテ泉水湧出ノ量ハ一分時間凡一石貳斗五升、温度百四十七|度二 (二)乙ハ客舎 (西村)ノ中ニアリ湧出ノ量同上温度百四十四度半 (三)丙ハ河畔》  《割書:ニ在リ、湧出スル量三石一斗二升、温度百四十八度二〇泉水ハ甚タ少許ノ礦物ヲ|含ムカ如シ而シテ臭味ナク沈殿物ヲモ残留セス然レトモ白キモノ、痕跡ヲ残留ス》  《割書:是レ恐クハ食塩ナルヘシ○該村並ニ湯町ニ於テ白瑪瑙、赤瑪瑙、瑪瑙、「青|キジャスパ」及ヒ黒水晶ヲ刻ミテ佳美ナル小飾品ノ細工ヲ作セリ》 大原  郡《割書:(ゲ)| 》牛尾 《割書:湯村ニ|アリ》 仁多郡《割書:(地)| 》三沢 《割書:湯村ニアリ、以上三所、泉質硫気ア|リ梅毒、諸瘡、中風、疝気、脚気等ニ》  《割書:宣|シ》 石見 安濃郡《割書:(地)| 》小屋原(コヤハラ) 《割書:泉質硫気アリ|諸小瘡ニ宣シ》 同《割書:(地)| 》志学(シカク) 《割書:泉質治|効同上》 邇摩  郡《割書:(地)|(ラ)》温泉津(ユノツ) 《割書:西田ヨリ一里半余海岸ニ二所アリ温度百〇九度許、一ハ泉質|礬、硫塩気ヲ含ミ、逆上、眼疾、疝気、痔疾、疥癬等ニ宣シ〇一ハ泉》  《割書:質硫、塩、鉄、硝ノ四気ヲ含ミ疝|気、脚気、手足痲痺等ニ宣シ》 同《割書:(地)| 》福光下村 《割書:泉質硫塩二気ヲ含ミ微|温ニシテ疥癬等ニ宣シ》【ルビ:足痲痺アシノシビレ)】  同《割書:(地)| 》天河内(アマカウチ) 《割書:泉質、清潔、些少ノ臭気アリ梅瘡、|陰癬、留飲、筋骨拘攣等ニ宣シ》 那賀郡《割書:(地)| 》有福(アリフク) 《割書:泉質|硫気》【ルビ:筋骨拘攣スヂボネノヒキツリ】  《割書:アリ、逆上、頭痛ニ宣シ、清|澄ニシテ湯茶等ニ用ユ》 隠岐   《割書:(ゲ)| 》島後(シマゴ) 《割書:海中|アリ》【51の正誤表より 海中アリ→海中ニアリ】  山陽道 美作 勝南郡《割書:(ゲ)| 》湯郷(ユノゴウ) 《割書:湯郷村ニアリ泉質治効ハ伊豆熱|海、ニ類似ス第七葉ヲ見ルヘシ》 西々条郡《割書:(地)| 》  奥津(オクツ) 《割書:奥津村ニアリ、泉質硫気ヲ含ミ|金創、疥癬、癩瘡、瘍瘡、等ニ宣シ》 大庭郡《割書:(地)| 》湯原 《割書:湯本村ニアリ泉|質同上、諸瘡毒》  《割書:ニ宣|シ》 真島郡《割書:(地)| 》真加(マカ) 《割書:仲間村ニアリ湯原温泉ヲ距ル貳里、泉|質同上諸悪瘡、湿毒潰爛スル者ニ宣シ》

現代語訳

出雲国 意宇郡 玉造温泉 玉造村にあり。およそ二十間以内に三つの泉がある。泉水は帯緑灰色または薄い褐色のやや硬い砂石から湧出する。(一)甲は河畔からおよそ五間離れており、泉水湧出量は一分間におよそ一石二斗五升、温度は147.2度。(二)乙は客舎(西村)の中にあり、湧出量は同上、温度は144.5度。(三)丙は河畔にあり、湧出量は三石一斗二升、温度は148.2度。泉水は非常に少量の鉱物を含むようである。臭味はなく沈殿物も残留しないが、白いものの痕跡を残留する。これはおそらく食塩であろう。当該村並びに湯町において白瑪瑙、赤瑪瑙、瑪瑙、青いジャスパー及び黒水晶を刻んで美しい小飾品の細工を作っている。 大原郡 牛尾温泉 湯村にあり。 仁多郡 三沢温泉 湯村にあり。以上三か所、泉質は硫黄気があり、梅毒、諸瘡、中風、疝気、脚気等に効果がある。 石見国 安濃郡 小屋原温泉 泉質は硫黄気があり、諸小瘡に効果がある。 同郡 志学温泉 泉質・治効は同上。 邇摩郡 温泉津温泉 西田から一里半余り、海岸に二か所ある。温度は109度ほど。一つは泉質が礬、硫黄、塩気を含み、逆上、眼疾、疝気、痔疾、疥癬等に効果がある。もう一つは泉質が硫黄、塩、鉄、硝の四気を含み、疝気、脚気、手足麻痺等に効果がある。 同郡 福光下村温泉 泉質は硫黄・塩の二気を含み、微温で疥癬等に効果がある。 同郡 天河内温泉 泉質は清潔で、少しの臭気があり、梅瘡、陰癬、留飲、筋骨拘攣等に効果がある。 那賀郡 有福温泉 泉質は硫黄気があり、逆上、頭痛に効果がある。清澄で湯茶等に用いる。 隠岐国 島後温泉 海中にある。 山陽道 美作国 勝南郡 湯郷温泉 湯郷村にあり。泉質・治効は伊豆熱海に類似する。第七葉を見るべし。 西々条郡 奥津温泉 奥津村にあり。泉質は硫黄気を含み、金創、疥癬、癩瘡、瘍瘡等に効果がある。 大庭郡 湯原温泉 湯本村にあり。泉質は同上、諸瘡毒に効果がある。 真島郡 真加温泉 仲間村にあり。湯原温泉から二里離れている。泉質は同上、諸悪瘡、湿毒で潰爛する者に効果がある。