翻刻
気(き)をおとしつけ一心(いつしん)を拳によせて
他(た)のことをおもはす随分(すいふん)慥(たしか)にして打(うつ)
へし只(たゝ)向(むかふ)ふをとりひしぐやうの心持(こゝろもち)第(たい)
一なりすこしにても臆(をく)する気味(きみ)あれは
其気(そのき)につれて負(まけ)るものなり丈夫(じやうぶ)に
きをもちて打ときは其気に乗(しやう)して
かちあるへし
一拳をならふるは声(こへ)の調子(てうし)をよくさた
め自身(じしん)の意(こゝろ)にも応(わう)じよき調子は
爰(こゝ)といふところを常(つね)〳〵考(かんかへ)覚(おほ)へて
うつへし
一 初手合(しよてあい)と拳うつときはまづ大手(おほて)を出(だ)し
てうかゝひ後(のち)に小手(こて)大手(おほて)小手なぞ色
いろ交(まじ)へうつへし