翻刻
さはやかにきこへ自然(しぜん)とこゑの調子(てうし)
もよく手前(てまへ)にも打にこゝろせかれ
すしてはなはだうちこゝろよきもの
なりこれは実(じつ)に上手(じやうず)至極(しごく)の拳と
いふへし
一 引手(ひきて)早(はや)く指(ゆひ)分(わかり)かたき拳
この拳ずいぶん高(たか)く上よりうち下(くだ)し
て打(う)つへし
一 引付(ひきつけ)て打(うつ)拳(けん)
此拳は手前(てまへ)よりひかえて打(うち)中(なか)ほとにて
てうしをきはめてこゑのくるはさるやうに
してうつへしこゑをくるはすは悪(わる)るし
一 指(ゆひ)あざやかなれとも手(て)を何方(あち)此方(こち)と
持廻(もちまは)る拳
此拳ははなはたあしき拳なりこれ等(ら)
のけんをうつときは只(たゝ)先(さき)のてうしに付(つき)あ