翻刻
あたり胸元(むなもと)まて手前(てまへ)の手をつき
つけて打なり其間(そのあいだ)にこゑの出入(でいり)
懸引(かけひき)は銘々(めい〳〵)の工夫(くふう)にあり余(よ)は
よく〳〵考(かん)かへて打へし
○取上拳(とりあげけん)の事
此拳は十拳打なれは十けん打と定(さた)め
人数(にんず)たとへは五人なれは四人と十けんつゝ
うつなりかくして銘々(めい〳〵)四十拳打と
なる不残(のこらす)うちをはりて点数(てんかす)を〆て
てん数 多(おゝ)きを順(じゆん)に天地人外何番
として甲乙(かうをつ)つくなり
○大坂(おゝさか)拳の事
此拳は呼声(よひこへ)なし只(たゝ)ゆひ斗(はかり)出(だ)して先(さき)の
ゆひ此方のゆひと出して見(み)たとへは先にて握(にき)り
出せしとき此方にて一本出したるは一本のかたかち也
先にて一本出し此方にて二本出したるは二本のかた勝(かち)也
かくの如(こと)く一本ましをかちとす余(よ)のゆひかづとなれは
かちまけなし先にて五本出せし時(とき)は無手(むて)にて取なり
余はしゆんじ知へし