翻刻
し人をしてすこやかにし胃(い)を
ひらく
○楉榴(ざくろ)は喉(のど)のかわくを治(ぢ)し三 尸(し)
虫(ちう)を制(せい)す味(あぢは)ひ酸甘(すくあまき)の二 品(ひん)有(あり)
○来禽(りんご)は気(き)をくだし痰(たん)を消(せう)
し霍乱(くわくらん)腹(はら)の痛(いたみ)消渇(せうかつ)を治(ぢ)す
○葡萄(ぶたう)は痳病(りんびやう)しひれを治(ぢ)し
腸間(ちやうかん)の水をのぞき久(ひさ)しく
くらへは身(み)をかろくす
○金柑(きんかん)は気(き)を下(くだ)し胸(むね)をこゝろよ
くし渇(かつ)をやめ二日酔(ふつかえい)を治(ぢ)す
○銀杏(ぎんあん)は生(なま)にては酒(さけ)を解(げ)し
痰をくたし虫(むし)をころす熟(じゆく)し
くらへは小 便(べん)をしゞむ
○枇杷(びは)は吐逆(ときゃく)をとめ上 焦(せう)の熱(ねつ)
をつかさどり気(き)を下(くだ)し肺気(はいき)を利(り)ス
○枳椇(けんほのなし)は五 臓(さう)をうるほし大小
便(べん)を利(り)し酒毒(しゆどく)を解(げ)す
○楊梅(やまもゝ)は気(き)をくだし腸胃(ちやうい)をそゝ
ぎ渇(かつ)をやめ痰(たん)をさりゑづき
をとめ食(しよく)を消(せう)す
○茘支(れいし)は渇(かつ)をやめ顔色(がんしよく)をまし
煩(いきれ)を除(のぞ)き頭(かはち)おもきを治(ぢ)す
○苺(いちご)は気(き)をまし身(み)を強(つよ)くし虚(きよ)を
補(おぎな)ひ男(おとこ)は陰(いん)なへ女(をんな)は子(こ)なきによし
○仏手柑(ぶしゆかん)は気(き)をくだし痰(たん)
水(すい)をのぞき酒(さけ)に煮(に)てのめば
痰咳嗽(たんがいさう)を治す
○胡桃(くるみ)は肌(はだへ)をうるほし髪(かみ)を黒(くろく)
し多(おゝく)食(くら)へば小 便(べん)を利(り)す
○榲桲(まるめろ)は中をあたゝめ気(き)を下(くだ)
し食(しよく)を消(せう)し胸(むね)の間(あいだ)の酸水(さんすい)
【挿絵】
楉榴(じやくりう) ざくろ
金柑(きんかん) ひめたちばな
盧橘(ろきつ)同
来禽(らいきん) りんご
葡萄(ほどう) ぶとう
えび
鴨脚樹(いてう)
銀杏(ぎんきやう) ぎんあん
枳椇(しく) けんほのなし
苺(ほ) いちご
樹苺(きいちご) 覆盆子(つるいちご) 蛇苺(へびいちご)
枇杷(びは)
一名 炎果(えんくは)
楊梅(やうばい) やまもゝ
茘支(れいし) 離支(りし)同
香櫞(かうゑん) ぶしゅかん
仏手柑(ぶしゆかん)同