東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

福神おしへの小槌 2巻 上 - 翻刻

福神おしへの小槌 2巻 上 - ページ 16

ページ: 16

翻刻

 器用(きよう)な者(もの)の顔(かほ)をして。人(ひと)にも笑(はら)はれ。我(われ)も  苦(くる)しむ。是(これ)皆(みな)生(うま)れ付(つき)の。天命(てんめい)に違(たが)ひ。己(をのれ)が  私智(しち)をもつて。拵(こしら)へしゆへなり。汝(なんぢ)も生(うま)れ付(つき)  の天命(てんめい)に順(したが)ひて。凹(ひくき)鼻(はな)は凹(ひくひ)なり。不美目(ふきりやう)なは  不美目(ふきりやう)なりに。品(しな)形(かたち)こそ。生(うま)れつきたらめ。  心(こゝろ)はなどか。賢(かしこ)きに。うつさば。うつさざらん。  只(たゞ)〳〵こゝろをみがくべし   植(うへ)て見(み)よ花(はな)のそだゝぬ里(さと)もなし    こゝろからこそ身(み)はいやしけれ ○娘(むすめ)。顔(かほ)を赤(あか)めていわく。段々(だん〳〵)の御異見(ごいけん)にて。  鼻(はな)を高(たか)ふする望(のそみ)は。やみましたれど。何(なに)をいふ  ても。此様(このやふ)な。滑稽首(ちやりがしら)では。一生(いつしやう)の身(み)の治(おさま)りも。  おぼつかなふぞんじます。何卒(なにとぞ)わたしが  かたづきしろの。しき銀(がね)を。鼻(はな)の替(かは)りに少々(しやう〳〵)  ばかり。沢山(たくさん)にどつさりと。打出(うちだ)して下(くだ)さり  ませ