翻刻
【右頁はコマ六右頁と同じ】
【左頁】
深夜(よふけ)までの宴會或(さかもりあるひ)は甚(はなはだ)しき憤怒悲憂等(はらたちなげきとう)の如(ごと)き一身(からだ)の平均(つりやい)を失(うしな)ふ事(こと)は一切慎(いつさいつゝし)む
へし殊(こと)に房時(いろごと)の度(ど)をすごすへからず
〇雨中夜間或(あまふりよなかあるひ)は露草(つゆくさ)の際(なか)を遊歩(あるく)など濕氣(しめりけ)に觸(ふ)れ寒冷(さむさ)に冒(おか)さるゝことを避(さる)へし
〇夜間(よなか)に窓戸障子等(あまどしよふじとう)を開(ひら)き寝(ね)るべからず
〇諸人群集(しよにんくんじゆ)の場所(ばしよ)に近(ちか)づくべからず務(つとめ)て
清爽活発(さわかか)なる所(ところ)に居(ゐ)るべし
〇船積(ふなづみ)にて其頃來(そのころきた)る物(もの)は勿論衣食物(もちろんきものたべもの)とも猥(みだり)に諸品(しよしな)を買入(かひいる)るべからず買入る時
は不潔(よごれ)に氣をつけ掃(はら)ひ去(さ)り家(うち)に入るゝべし
〇家畜(うちにかひ)たる牛馬犬猫豚鶏等(うしうまいぬねこぶたくはとりとう)の羽毛(はねげ)の穢(けがれ)に注意除(きをつけのぞ)き去(さ)るべし
〇假令親睦知巳(たといなかよきつきあい)たりとも此病(ころり)に罹(かゝ)らば尋訪(みまひ)すべから若余儀(もしよぎ)なき時(とき)は速(すぐ)に其家(そのいへ)
を出(いで)て石炭酸水(どくけし)にて口嗽(くちそゝき)ぎ面部部等洗(かほとうらあら)ひ浴湯(ゆあみ)して石鹸(さぼん)にて膚(はだ)を洗(あら)ひ衣服(きもの)を改(きかゆ)べ
し[後(のち)の見舞篇(みまひへん)を見(み)るべし
右(むぎ)は荒増詳細(あらましくはしき)は後(のち)の吐瀉物洗陰[除]法篇(はきくだしもあらひのけかたのところ)に記(しる)す