翻刻
【上段】
○杜若(かきつばた)は水中(すいちう)に
生(しやう)ず花大にして
色(いろ)桔梗(ききやう)の花の色
にてうるはし夏(なつ)
のはじめに花さく
○菖蒲(あやめ)は花 杜(かき)
若(つばた)に似(に)て小(ちい)さく
葉(は)も細(ほそ)し又 菖(しやう)
蒲(ふ)と云は別種(べつしゆ)也
花なし又花菖
蒲と云物 一種(いつしゆ)有
○様錦(もみぢぐさ)は六七月
葉(は)紅(くれなゐ)なり黄緑(きみどり)
色(いろ)をかぬるを十様(しうやう)
錦(きん)といふ又 雁(かん)来(きたつ)て
紅(くれない)なるを雁来紅(けんらいこう)
といふ俗(ぞく)に葉鶏頭(はげいとう)
といふなり
○桔梗(ききやう)は花 紫(むらさき)有
白あり一重(ひとへ)有かさ
ね有六月にひらく
又 梗草(かうさう)となづく
【挿絵】
杜若
かきつばた
菖蒲(しやうぶ)
あやめ
様錦(やうきん)
もみぢぐさ
桔梗(けつかう)
ききやう