翻刻
【上段】
○射干(からすあふぎ)はひあふぎ
ともいふ葉(は)のかたち
檜扇(ひあふぎ)に似(に)たり花は
黄赤(きあか)し五六月花
さく烏扇(うせん)烏翣(うさう)
ならびに同
○蝴蝶花(こちうくは)は射干(からすあふぎ)
の類(るい)なり三月白き
花 咲(さく)黄(き)み中(なか)にあり
俗(ぞく)にやぶらんといふ
しやがは射干(しやかん)の音(おん)
を誤(あやまり)しものなりと
○夏枯草(かこさう)は野(の)に
多(おほ)し薄紫(うすむらさきの)花 咲(さく)
○鴟尾(いちはつ)は葉(は)は射(からす)
干(あふぎ)ににたり花は
むらさきなり花
を紫羅傘(しらさん)と
いふ四月花さく
○馬藺(ばりん)は沢辺(たくへん)
に生(しやう)ず気(き)くさし
花はあやめににて
細(ほそ)し色もうすし
馬棟(ばれん)ともいふ夏(なつ)
の初(はじめ)に花さく
【挿絵】
射干(しやかん) からすあふぎ
蝴蝶花(こてうくは) しやが
夏枯草(かこさう) うつほくさ
鴟尾(しひ) いちはつ
鴨脚花(わうきやくくは)
馬藺(ばりん)