翻刻
【上段】
○薔薇(しやうび)は花 紅白(こうはく)
黄(き)薄紅(うすべに)有 千重(せんゑ)の
ものを牡丹(ぼたん)いばら
といひ一重(ひとへ)なるを蕀(いばら)
薔薇(しやうび)と云一名 月々(げつ〳〵)
紅(こう)又 長春(ちやうしゆん)ともいふ
○慎火(いはれんげ)は一名 景天(けいてん)
又は戒火(かいくは)ともいふ小(しやう)
なるを仏甲草(ぶつかうさう)と
いふなり
○苔蘚(こけせん)同 水(みづ)に有
を陟釐(ちよくり)と云 石(いし)に生(はゆ)
るを石濡(せきしゆ)瓦(かはら)に有
を屋游(をくいう)墻(かき)を垣衣(ゑんい)と云
○酸漿(さんしやう)は五月に
白き花 咲(さき)実(み)赤(あか)
くとうろうのごとし
よつて金灯篭(きんとうろう)と云
○旋覆(をぐるま)は葉(は)長(なが)み
有花は黄(き)にして
菊(きく)ににたり六月に
花さく又九月にむ
らさきの花さくを
紫苑(しをん)といふ是(これ)は
見事(みごと)成(なる)花なり
【挿絵】
薔薇(しやうび)
いばらしやうび
慎火(しんくは) いはれんげ
仏甲草(ぶつかうさう)
苔(たい) こけ
酸漿(さんしやう) ほうつき
旋覆(せんふく)
をぐるま