翻刻
【上段】
○蒼朮(さうじゆつ)は花うす
赤(あか)し脾(ひ)をすこやか
にし湿(しつ)をかわかし中(うち)
をゆるくす山薊(さんけい)と
もいふ花白きは白朮(ひやくしゆつ)也
○木賊(もくぞく)は目(め)のかすみ
を退(しりぞけ)積塊(しやくくわい)を消(せう)す
和名(わみやう)とくさ板(いた)など
おろし磨(みがく)に用(もち)ゆ
○山葱(さんさう)は一名を隔(かく)
葱(さう)とも又 鹿耳(ろくに)
葱(さう)ともいふ俗(ぞく)に
いふぎやうしやにん
にくなり
○石荷(ゆきのした)は一名 虎耳(こし)
草(さう)といふ水湿(すいしつ)の地(ち)
に生す五月花 咲(さく)
○馬勃(ばぼつ)は湿地(しつち)くち
木のうへなとに生
ずのどのいたみを
治(ぢ)す灰菰(くわいこ)牛尿(ぎうし)
菰(こ)となつく
○石韋(ひとつば)は湿地(しつち)に
生ず葉(は)大にして
かたく皮(かわ)のごとし枝(えた)
なく一 葉(よう)づゝ生ず
労熱(らうねつ)邪気(じやき)をつかさ
とり痳病(りんびやう)を治(ぢ)す
○螺厴(まめづる)は一名 鏡面(きやうめん)
草(さう)といふ石上に生す
かゞみぐさ又 豆(まめ)ごけ
【挿絵】
蒼朮(さうじゆつ)
おけら
木賊(もくぞく)
とくさ
山葱(さんさう)
きやうじやにんにく
馬勃(ばほつ) おにふすべ
石荷(せきか) ゆきのした
石韋(せきい) ひとつば
螺厴(らゑん) まめづる